小聲こゞゑ)” の例文
新字:小声
しよかうとしたときに、あいちやんは王樣わうさま小聲こゞゑで、一たい仲間なかまものどもにはれるのをきました、『みん放免はうめんする』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
もつと左樣さうするまへ老人らうじん小聲こゞゑ一寸ちよつ相談さうだんがあつたらしく、金貸かねかしらしい老人らうじんは『勿論もちろんのこと』とひたげな樣子やうすくびかたせてたのであつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
正太しようたふでやのみせこしをかけて、のつれ/″\にしの戀路こひぢ小聲こゞゑにうたへば、あれ由斷ゆだんがならぬと内儀かみさまにわらはれて、なにがなしにみゝあかく
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
アンドレイ、エヒミチは體裁惡きまりわるおもひながら、聖像せいざう接吻せつぷんした。ミハイル、アウエリヤヌヰチはくちびる突出つきだして、あたまりながら、また小聲こゞゑ祈祷きたうしてなみだながしてゐる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大旦那おほだんなはおかへりにつたか、若旦那わかだんなはと、これは小聲こゞゑに、まだといてひたいしはせぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
と、イワン、デミトリチは小聲こゞゑつて、自分じぶん寐臺ねだいうへすわむ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かれ室内しつないあるはじめたが、やが小聲こゞゑまたいひす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)