しばらく)” の例文
神事かみごとはすべて児戯じぎたること多し、しかれども凡慮ぼんりよを以て量識はかりしるべからず。此堂押にるゐせし事他国にもあるべし、しばらくしるしてるゐしめす。
ややしばらく鳴り通しに鳴っていた電話の鈴がはたとんだ時、二人は始めて奥の方から人の苦しみうなるような声のするのを聞きつけて、顔を見合せた。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
しやく釈につくるの外、たくを沢、驛をえきつくるぞくなり、しかれども巻中えきたくの字多し。しばらくぞくしたがうて駅沢に作り、以梓繁しはんはぶく。省字せうじは皆古法こほふしたがふ。
「扨私宅に志摩人北条譲四郎と申もの留守をたのみおき候。此人よくよみ候故、私女姪ぢよてつ二十六七になり候寡婦御坐候にめあはせ、くわん三と申姪孫てつそん生長迄の中継にいたし候積、しばらく思案仕候。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わが空想家ならずして思遣おもひやり少きは汝も知りたらん。されど女の事をばしばらくく置け。唯だ心得がたきは、汝がいつも愛々といふことなり。我等二人は手を握りて友となりたり。その外には何も無し。
神事かみごとはすべて児戯じぎたること多し、しかれども凡慮ぼんりよを以て量識はかりしるべからず。此堂押にるゐせし事他国にもあるべし、しばらくしるしてるゐしめす。
本編雪のほかの事をのせたるは雪譜せつふの名をむなしうするにたれども、しばらくしるして好事かうず話柄わへいす。増修そうしうせつまたしかり。
かの橋柱はのち御領主ごりやうしゆ御蔵ごぞうとなりしとぞ。椎谷しひや同国どうこくなれども幾里をへだてたれば其真物しんぶつ不見みず、今に遺憾ゐかんとす。しばらく伝写でんしやを以てこゝにのせつ。
山川村庄さんせんそんしやうはさらなり、およそ物の名のよみかた清濁すみにごるによりて越後の里言りげんにたがひたるもあるべし。しかれども里言は多く俗訛ぞくなまりなり、いましばらく俗にしたがふもあり。本編には音訓おんくん仮名かなくださず、かなづけは所為しわざなり。
かの橋柱はのち御領主ごりやうしゆ御蔵ごぞうとなりしとぞ。椎谷しひや同国どうこくなれども幾里をへだてたれば其真物しんぶつ不見みず、今に遺憾ゐかんとす。しばらく伝写でんしやを以てこゝにのせつ。
蒲原かんばら郡の新潟にひがたは北海第一のみなとなれば福地たることろんまたず。此余このよ豊境はうきやうしばらくりやくす。此地皆十月より雪る、そのふかきあさきとは地勢ちせいによる。なほすゑろんぜり。
しやく釈につくるの外、たくを沢、驛をえきつくるぞくなり、しかれども巻中えきたくの字多し。しばらくぞくしたがうて駅沢に作り、以梓繁しはんはぶく。省字せうじは皆古法こほふしたがふ。