をなご)” の例文
さと わしが国にをるときや、男でんをなごでん、あすうどるもんなんぞ見たこたなかつた。まあ、遊うどると云へば、子供ぐりやんもんた。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
「それかといふて、何も蟒さんのやうな醉ひたんぼのをなごはんに惚れはらんかて、外にどつさりえゝ女がありさうなもんやないか。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
をとこらしうもをなごらしうもえて、獸類けだものらしうもゆるともない振舞ふるまひ! はてさて、あきてた。誓文せいもんわし今少もすこ立派りっぱ氣質きだてぢゃとおもうてゐたに。
天竺のみ仏は、をなごは助からぬものぢやと説かれ/\して来たがえ、其果てに、をなごでも救ふ道を開かれた。其を説いたのが、法華経ぢやと言ふげな。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
(苦悶から悔悟にうつり、やゝ理性の光が歸つて來る。)さるにても、このをなご! いみじくも死に居つたな。夫を助け操を守る一念よりいみじくも思ひ切つたな。…………。
袈裟の良人 (旧字旧仮名) / 菊池寛(著)
三番目の抽出ひきだしから出たのは二人のをなごの子の物ばかりで、色のめたメリンスの単衣ひとへが五六枚、外へこゝ双生児ふたごの娘が生れた時、美奈子がなにがし書店に頼んでお伽噺を書かせて貰つて其の稿料でこしらへた
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
美くしきをなごぬすまむ変化へんげものよとばかりにさうぞきにけり
舞姫 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
『そだどもな、根が正直者だおの、結句氣樂なをなごせえ喃。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
をなご共の帯に銀紙をりつけたものに過ぎないのぢや
星とピエロ (新字旧仮名) / 中原中也(著)
紅梅やをなごあるじの零落れいらくにともなふ鳥の籠かけにけり
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
すべて眠りしをなご今ぞ目醒めて動くなる。
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
茶摘みをなご
おさんだいしよさま (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
「あのをなご故に三田さんも東京へ歸らはる事になつた。あいつが來たら、みなでどづいてやろ、こない云ふてゐやはつたのと違ひまつか。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
まいがそんつもりでをればよかばツてん、ムツシユウ・シヨオドロンにして見れば、代りのをなごはいくらでんあツとだるけんね。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
ヂュリ そのわかにロレンスどのゝ庵室あんじつうたゆゑ、をなご謹愼つゝしみさはらぬかぎりの、ふさはしい會釋ゑしゃくをしておきました。
『そだどもな、根が正直者だおの、結句気楽なをなごせえなあ。』
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
すべて眠りしをなご今ぞ目覺めて動くなる。
そぞろごと (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
われはをなご
婦人と文学 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
「おつさんが毎晩々々そのをなごはんを口説いて居るのが、とてもをかしうて堪らんと、おみつつあんが話してゐやはりました。」
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
わし戀人こひびとよりもうつくしい! なにもかも見通みとほしの太陽たいやうでも、現世このよはじまって以來このかたまたとは彼女程あれほどをなごをばなんだのぢゃ。
やす (よねを見つけ)一寸、こるば見てくれな、おつ母さん、此処こけんもをつとばな、をなごん酔払ひの……。
牛山ホテル(五場) (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
われはをなごぞ。
そぞろごと (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)