土人どじん)” の例文
南洋なんようのあまり世界せかいひとたちにはられていないしまんでいる二人ふたり土人どじんが、難船なんせんからすくわれて、あるみなといたときでありました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しまか、みつか、はたきけて——おちよ、いゝえう/\……矢張やつぱりこれは、はなしなかで、わに片足かたあし食切くひきられたと土人どじんか。
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ハワイ土人どじんはこれをパホエホエしきんゐでゐる。こーくすじよう鎔岩ようがん中央火口丘ちゆうおうかこうきゆうから噴出ふんしゆつせられて、それ自身じしん形體けいたいげてくことがおほい。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
みなみよう恰好かつこうをした人間にんげんで、それは今日こんにちみなみアフリカの土人どじんブッシュマンなどが非常ひじようてゐるのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
もつとも夜間に小舟サンパンを傭へない事も無いが、土人どじんの船頭には脅迫的な行為があつて危険だと忠告せられて断念した。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
やりふる土人どじんが昼の水かひも
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
午前ごぜんなどと文化ぶんくわがつたり、あさがつたりしてはられない。ごろではまだ夜半よなかではないか。南洋なんやうから土人どじんても、夜中よなか見物けんぶつ出來できるものか。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「ボタンにしては、あまりお粗末そまつなものですね。どうせ、土人どじん子供こどもくびにかけたものかもしれません。」
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
燭台しょくだいふるいのや、南洋なんよう土人どじんったような織物おりものや、またオランダあたりからきたつぼや、支那人しなじん腰掛こしかけていたような椅子いすや、ストーブのさびたのなどまでかれてありました。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すなうえに、二人ふたり土人どじんがうずくまってあたりの景色けしきとれていました。そのみなとはかなりひらけたにぎやかなみなとでありましたから、はなやかなふうをしたいろいろなひとあるいていました。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)