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どうしつ
恁くてイワン、デミトリチは
宿を
借る
事も、
療治する
事も、
錢の
無いので
出來兼ぬる
所から、
幾干もなくして
町立病院に
入れられ、
梅毒病患者と
同室する
事となつた。
……
其の
中で、
山高が
突立ち、
背広が
肩を
張つたのは、
皆同室の
客。で、こゝで
園と
最う
一人——
上野を
出ると
其れ
切寝たまゝの
茶の
外套氏ばかりを
残して、
尽く
下車したのである。
かくてイワン、デミトリチは
宿を
借ることも、
療治することも、
銭の
無いので
出来兼ぬる
所から、
幾干もなくして
町立病院に
入れられ、
梅毒病患者と
同室することとなった。
又モイセイカは
同室の
者にも
至つて
親切で、
水を
持つて
來て
遣り、
寐る
時には
布團を
掛けて
遣りして、
町から一
錢づつ
貰つて
來て
遣るとか、
各に
新しい
帽子を
縫つて
遣るとかと
云ふ。
同室で
誰かゞ
釦鈕を
落したとか
匙を
落したとか
云ふ
場合には、
彼が
先づ
寐臺から
起上つて、
取つて
遣る。
毎朝起ると
同室の
者等にお
早うと
云ひ、
晩には
又お
休息なさいと
挨拶もする。
同室で
誰かが
釦鈕を
落したとか
匙を
落したとか
云う
場合には、
彼がまず
寝台から
起上って、
取って
遣る。
毎朝起ると
同室の
者等にお
早うと
云い、
晩にはまたお
休息なさいと
挨拶もする。
と、
彼は
声を
甲走らして、
地鞴踏んで、
同室の
者等のいまだかつて
見ぬ
騒方。