古道具屋ふるどうぐや)” の例文
みなみくにには、もうはるがきたのであります。あるひるごろ、馬車ばしゃからりて、古道具屋ふるどうぐやへはいった、うつくしいおくさまがありました。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
先家主の大工や他の人に頼み、代々木新町の古道具屋ふるどうぐやで建具の古物を追々に二枚三枚と買ってもらい、肥車こえぐるまの上荷にして持て来てもろうて、無理やりにはめた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
これをどこかへりとばして、みんなでうまいものをってべようといました。それでわたしは古道具屋ふるどうぐやられて、店先みせさきにさらされて、さんざん窮屈きゅうくつな目にあいました。
文福茶がま (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「こちらのかざりだけを×××××でいただきましょう。このさかずきは、どうでもよろしゅうございます。」と、古道具屋ふるどうぐやはいいました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「りっぱなみせっている骨董屋こっとうやのほうが、かえって、人柄ひとがらがよくないかもしれない。だれか正直しょうじきそうな古道具屋ふるどうぐやんできてせよう。」
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すると、ちいさな古道具屋ふるどうぐやがありました。みせは、せまく、なんとなくむさくるしかったけれど、いろいろな道具どうぐならべてあった。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もうすこしのことに、づかずにとおぎようとしましたのを、かれって、その古道具屋ふるどうぐやをのぞいてみました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、大型おがたの、ひもでげるむかしふうのものでした。商店しょうてんか、古道具屋ふるどうぐや店頭てんとうでもなければ、られぬものです。
正二くんの時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この希望きぼうも、たちまちたっせられたのは、十何年なんねんまえに、ちちが、おき時計どけいった、古道具屋ふるどうぐや主人しゅじんが、有田焼ありたやきおおきな丸火鉢まるひばちを、とどけてくれたからでした。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
古道具屋ふるどうぐやは、それを格別かくべつ、ありがたいともおもわぬようすで、金銀細工きんぎんざいくかざりといっしょにってゆきました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのたびに、ちょうどみちのそばにあった、古道具屋ふるどうぐやみせさきにかかった、木琴もっきんこころうばわれたのです。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どこかこのちかくの古道具屋ふるどうぐやに、そのバイオリンはられたとおもったからです。そして、まだ、そのみせのすみにのこっていやしないかというかすかなのぞみがあったからでありました。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、いまごろは、あのったひとも、またどこかの古道具屋ふるどうぐやってしまったかもしれません。あなたが、そんなにほしいものなら、幾年いくねんもかかってさがしてみなさるのですね。
海のかなた (新字新仮名) / 小川未明(著)
来年らいねんはるは、またみなみほうへ、航海こうかいするだろう。そのとき、あのみなとったら、まちのあの古道具屋ふるどうぐやへいってみる。そして、まだ、人形にんぎょうれずにいたら、きっとってきてあげよう。
お父さんの見た人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるのこと、ちちが、まだ学生がくせい時分じぶん、ゆきするまち古道具屋ふるどうぐやに、この時計とけいが、かざってあったのをつけて、いい時計とけいおもい、ほしくてたまらず、とうとうったということです。
時計と窓の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしは、このオルゴールを、ここからとおい、西にしくにむら古道具屋ふるどうぐやつけました。
汽船の中の父と子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしまれたまちへも、あめがよくクラリネットをいてきました。わたし、あのおとだいすきで、はたらくようになってから、古道具屋ふるどうぐやがっていたのをって、くことをおぼえました。
クラリネットを吹く男 (新字新仮名) / 小川未明(著)