優美いうび)” の例文
みどりかみかつらまゆ皓齒かうしあたか河貝かばいふくんで、優美いうび端正たんせいいへどおよぶべからず。むらさきかけぬひあるしたうづたまくつをはきてしぬ。香氣かうき一脈いちみやく芳霞はうか靉靆たなびく。いやなやつあり。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すなはち「墨染櫻すみぞめのさくら」のさくら「三十三間堂げんだう」のやなぎ、などそのれいで、此等これらすこしもこわくなく、きはめて優美いうびなものである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
一生いつしやう箱入はこいりらしくらさせんとにや、さすれば此歌このうた無心むしんきたるものにて半文はんもん價値ねうちもあらず、いなこの優美いうびふでのあとはなんとしても破廉耻はれんちひとにはあらじ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それからふたゝみんながあつまつたときに、ドードてうおごそかに指環ゆびわしめして、『吾輩わがはいこの優美いうびなる指環ゆびわ諸君しよくん受納じゆなふせられんことをのぞむ』このみじか演説えんぜつむと一どう拍手喝采はくしゆかつさいしました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
優美いうび典雅てんが勇侠ゆうけふ、魅力を理論的には尊敬し、讃美してはゐたが、假りにこれ等が男性の姿をとつて、私の眼前に現はれたならば、私は本能的にそれ等のものが私の中の何とも共鳴せず
のほか色々いろ/\うたはべるよしうけたまはさふらふふ。——物語ものがたり優美いうびうち幻怪げんくわいあり。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)