仕組しくみ)” の例文
しかし、門外不出もんがいふしゅつ取扱とりあつかいには、十ぶん注意ちゅういしていましてね。わたしにしても、そうみだりに持出もちだすことはできない仕組しくみになつているんですから
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
つまり、すべてはたましいたましい交通こうつうねらったもので、こればかりはじつなんともいえぬほどうま仕組しくみになってるのでございます。
三人ずつわかれて一番繁昌なにぎやかな処で双方から出逢うような仕組しくみにするから、賑やかな処とえばず遊廓の近所、新町しんまち九軒くけんへん常極じょうきまりにやって居たが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しばらくこの旅中りょちゅうに起る出来事と、旅中に出逢であう人間を能の仕組しくみと能役者の所作しょさに見立てたらどうだろう。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
もませ呉んと一同にて仕組しくみしことゆゑ千太郎の云ふ事を少しも聞入きゝいれず御養父がもしわからぬ叱言こごとを言れなば仲間一同にて引受ひきうけ貴樣おまへ御迷惑ごめいわくかけまじ一年にたゞ一度の參會故夫を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かうして始めた仕組しくみを私は試みの間中續けた。そしてそれが最も成功したのであつた。確かに彼はいくらか不機嫌でぷり/\してゐた。しかし全體から云へば彼は大變滿足してゐた。
ところで、読者の中には定めし、手箱の構造から内部の仕組しくみまで知りたいと思うほど、実に物好きな御仁ごじんがおられることと思う。よろしい、その望みを叶えて進ぜて悪かろう筈はない。
この車輪しやりん運轉うんてんする動力どうりよくは、物理學上ぶつりがくじやう種々しゆ/″\なる原則げんそく應用おうようせる、きはめて巧緻こうちなる自轉じてん仕組しくみにて、車内しやない前部ぜんぶ機械室きかいしつには「ノルデン、インヂン」に髣髴ほうふつたる、非常ひじやう堅牢けんらう緻密ちみつなる機械きかいまうけありて
あなたがた世界せかいくだり、いろいろと現界げんかい苦労くろうをされるのも、つまりはふか神界しんかいのお仕組しくみで、それがわたくしたちにもまたとなき学問がくもんとなるのです。
政府もこれくないことゝ思い、西洋風にポリスの仕組しくみに改革しようと心付きはしたが、さてそのポリスとは全体ドンなものであるか、概略でもよろしい、取調べてれぬかと
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
写す者が少し疲れて筆がにぶって来るとすぐほかの者が交代して、その疲れた者は朝でも昼でもすぐに寝ると仕組しくみにして、昼夜の別なく、めし煙草タバコも休まず、一寸ちょいともひまなしに
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)