仁王にわう)” の例文
小僧こぞうを、根附ねつけで、こしところひきつけて、留桶とめをけまへに、流臺ながしだい蚊脛かずねをはだけて、せた仁王にわうかたち
銭湯 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
顧みれば瀧口、性質こゝろにもあらで形容邊幅けいようへんぷくに心をなやめたりしも戀の爲なりき。仁王にわうともくまんず六尺の丈夫ますらをからだのみか心さへ衰へて、めゝしき哀れに弓矢の恥を忘れしも戀の爲なりき。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
『なに、なに、大丈夫だいじようぶ! 大丈夫だいじようぶ!。』とわたくし眞赤まつかになつて仁王にわうごと屹立つゝたつた。
幸ひ片端かたはしより破落離々々々ばらり/\薙倒なぎたふす勢ひに惡漢どもは大いに驚き是は抑如何そもいか仁王にわう化身けしん摩利支天まりしてんかあら恐ろしの強力や逃ろ/\と云ひながら命からがら逃失にげうせけりまた打倒うちたふされし五七人は頭をわらすね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
山門さんもん仁王にわうあか幻想イリユウジヨン……
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
が、あらず、それも、のちおもへば、ふせがんがために粉骨ふんこつしたまふ、焦身せうしん仁王にわうざうであつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
顔面がんめんくろうるしして、くま鼻頭はなづら透通すきとほ紫陽花あぢさゐあゐながし、ひたひからあぎとけて、なが三尺さんじやくくちからくちはゞ五尺ごしやく仁王にわうかほうへふたしたはせたばかり、あまおほきさとつて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)