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些
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ちつと
ふりがな文庫
“
些
(
ちつと
)” の例文
しつかり眼を閉ぢてゐても、
些
(
ちつと
)
も眠くならなかつた。何度も寝返りをうつては
溜息
(
ためいき
)
をついた。そして夜はだんだんふけて来た。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
代助は又結婚問題に
話
(
はなし
)
が
戻
(
もど
)
ると面倒だから、時に
姉
(
ねえ
)
さん、
些
(
ちつと
)
御
願
(
ねがひ
)
があつて
来
(
き
)
たんだが、とすぐ切り出して仕舞つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
上人様が何と仰やつたか知らぬが妾にはさつぱり分らず
些
(
ちつと
)
も面白くない話し、唐偏朴の
彼
(
あの
)
のつそりめに半口与るとは何いふ訳、日頃の気性にも似合はない
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
私
些
(
ちつと
)
もかまひは致しませんけれど、さうでもない、貴方がこの先御迷惑あそばすやうな事があつてはと存じて、私それを心配致してをるくらゐなのでございます
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「いや、あり得ない事だ。私の臆測は正しい筈がない。けれども。」と私共の心の中で私共に話しかけるあの祕密の聲が口を出した。「お前だつて
些
(
ちつと
)
も
綺麗
(
きれい
)
ぢやない。 ...
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
▼ もっと見る
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は
私
(
わたくし
)
の
後方
(
うしろ
)
に、
愛兒
(
あいじ
)
をしかと
抱
(
いだ
)
きたる
儘
(
まゝ
)
、
默然
(
もくねん
)
として
言
(
ことば
)
もない、けれど
流石
(
さすが
)
に
豪壯
(
がうさう
)
なる
濱島武文
(
はまじまたけぶみ
)
の
妻
(
つま
)
、
帝國軍人松島海軍大佐
(
ていこくぐんじんまつしまかいぐんたいさ
)
の
妹君
(
いもとぎみ
)
程
(
ほど
)
あつて、
些
(
ちつと
)
も
取亂
(
とりみだ
)
したる
姿
(
すがた
)
のなきは
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
其
(
そ
)
の
雪
(
ゆき
)
は、
故郷
(
ふるさと
)
から
私
(
わたし
)
を
迎
(
むかひ
)
に
来
(
き
)
たものを、……
帰
(
かへ
)
る
気
(
き
)
は
些
(
ちつと
)
も
無
(
な
)
しに、
貴下
(
あなた
)
の
背
(
せな
)
に
凭
(
より
)
かゝつて、
二階
(
にかい
)
の
部屋
(
へや
)
へ
入
(
はい
)
りしなに、——
貴下
(
あなた
)
のお
父様
(
とうさま
)
が
御覧
(
ごらん
)
の
目
(
め
)
には、……
急
(
きふ
)
に
貴下
(
あなた
)
が
大
(
おほ
)
きく
成
(
な
)
つて
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
無し夫にしても自分でするは
些
(
ちつと
)
小面倒
(
こめんだう
)
の仕事なり
彼奴
(
あいつ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
何だい、こんな
糞坊主
(
くそぼうず
)
が、そばにをつても、
些
(
ちつと
)
も温くなりやしないぢやねえか、と口の中でいひながら、武助さんは邪険にぐらぐらと船を揺すぶつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
成程それは、お前との約束ね、それを
反古
(
ほご
)
にしたと云ふので、
齢
(
とし
)
の若いものの事だから腹も立たう、立たうけれど、お前自分の身の上も
些
(
ちつと
)
は考へて見るが可いわね。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
も
空
(
むな
)
しく
失
(
なく
)
なす
道理
(
だうり
)
子供を
何處
(
どこ
)
へか
遣
(
や
)
り
度
(
たく
)
も
些
(
ちつと
)
は金子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此方
(
こちら
)
は
暢気
(
のんき
)
なものだから
那様
(
こんな
)
事
(
こと
)
とは
些
(
ちつと
)
も知らない、
山田
(
やまだ
)
も
亦
(
また
)
気振
(
けぶり
)
にも見せなかつた、けれども
前
(
さき
)
にも言ふ
如
(
ごと
)
く、
中坂
(
なかさか
)
に社を
設
(
まう
)
けてからは、
山田
(
やまだ
)
は
全
(
まつた
)
く
社務
(
しやむ
)
に
与
(
あづか
)
らん姿であつたから
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「宮さん、何を泣くのだ。お前は
些
(
ちつと
)
も泣くことは無いぢやないか。空涙!」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
些
漢検準1級
部首:⼆
7画
“些”を含む語句
些少
些々
些事
些細
些末
些子
些程
些中
些細事
露些
一些事
今些
些額
些許
些計
些箇
些末事
些末主義
些技
些小
...