“下郎:げろう” の例文
“下郎:げろう”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治10
三遊亭円朝2
若松賤子1
鈴木三重吉1
坂口安吾1
“下郎:げろう”を含む作品のジャンル比率
自然科学 > 動物学 > 鳥類33.3%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸4.8%
社会科学 > 社会 > 家族問題・男性・女性問題・老人問題0.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
武士下郎げろうの輩の膝下しっかにねじ伏せられて、荒縄のいましめをうけるなどは、およそ心外なと、おん目をつりあげ、
下郎げろうを召し連れた若奥様かお嬢様か——というふうな権式だけを取って、こっちへ酒もあてがわないのはひどすぎる。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不届ふとどきな奴、八雲を落しておいて、時経てから、忠義がましく訴え出るなど、食えぬ下郎げろうではある。ここへ連れて来いっ』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ぬかりはございません。そして、てまえは薬持ちの下郎げろうとでも申しますから、先生も下郎の前身をうッかりばらしてはいけませんぜ」
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
紅緒べにお菅笠すげがさ下郎げろうに渡すと、うけたお供の仲間ちゅうげんは、それを自分の笠に重ねて、
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私どもはこれからいついつまでも、天皇のおおせのままに、おうまかい下郎げろうとなりまして、いっしょうけんめいにご奉公申しあげます。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
しかるに、今宿へ戻ってしらべてみると、庄左衛門は他人の金品まで持ち逃げしている! これは下司げす下郎げろう仕業しわざで、士にあるまじきことだ。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
浪人して今は見る影もない尾羽打枯おはうちからした身の上でも、お前たちのようなはしたない下郎げろうを亭主に持つような身の上ではありません、無礼なことをお云いでない
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「なまいきなことをほざく下郎げろうだ、汝らがこのご城下で安穏あんのんにくらしていられるのは、みなわれわれが敵国と戦っている賜物たまものだぞ。ばちあたりめ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昔々ココチンはあるお屋敷に奉公をしていた下郎げろうであった。
しかし彼は、今目の前に見る江戸名打ての、大賊のような自他にこだわらず、何時も、悠々として、南山を眺め続けているような、自得の風格に染っている下郎げろうに、会ったことはないのだった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「だまれ小角しょうかく。わしは年こそおさないが、信玄しんげんの血をうけた武神の孫じゃ。そちのような、野盗人のぬすびとかみにはたたぬ。下郎げろうの力をかりて旗上げはせぬ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これを要するに、今の紳士も学者も不学者も、全体の言行の高尚なるにかかわらず、品行の一点においては、不釣合に下等なる者多くして、俗言これを評すれば、御座ござに出されぬ下郎げろうと称して可なるが如し。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
下郎げろう。なにを、証拠あかしに」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不埒ふらちものめ。下郎げろう。」
雨ばけ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
宗時も十分に勇武の士で、思慮もあれば身分もあった者だが、藤五郎の言を聞くと、イヤイヤ、其御言葉は一応御尤ごもっともには存ずるが、関白も中々世の常ならぬ人、匹夫ひっぷ下郎げろうより起って天下の旗頭となり
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
僕の手を思い入れ握りしめ、「どうしてどうしてお死になされたとわたしがもうしいとしいお方の側へ、従四位様を並べたら、まるで下郎げろうもっいったようだろうよ」と仰有ってまたちょっと口を結び
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
下郎げろうッ、何とするッ」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——下郎げろうっ」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下郎げろうか」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「いまの仰せは、魔でもいわせたか。何ともはや、わが殿のお旨とも聞えませぬ。……このじいめは、ご先代正遠さまの代から仕え、あなた様がまだおはなを垂らしていた頃からの下郎げろうではございますが、かつてまだ、そんなうけたお方とは、存じませなんだ」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こりゃ下郎げろう。ただ今もその方が申す如く、この御堂みどう供養の庭には、法界ほっかい竜象りゅうぞう数を知らず並み居られるには相違ない。が、鼠になげうつにも器物うつわものむの慣い、誰かその方如き下郎げろうづれと、法力の高下を競わりょうぞ。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「動くな、動くな。その場を捜せ。たしかにそこだ。私はその場に落したのだ。いま思い出した。たしかにそこだ。さらに八文ある筈だ。落したものは、落した場所にあるにきまっている。それ! 皆の者、銭は三文見つかったぞ。さらに精出して、そこな下郎げろうの周囲を捜せ。」とたいへんな騒ぎ方である。
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
あなたから見れば、下賤、下素げす下郎げろう、卑しむべきウジムシに見えるでしょうが、恋に奉仕する私の下僕の心構えというものは、これはともかく、私がとるにも足らぬものながらこの一生を賭けているカケガエのない魂で、これだけが私の生存の意味でもあり、誇りでもあり、私の全部でもあるのです。
ジロリの女 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
酔「今この所で手前がよろけたとこをトーンとき当ったから、犬でもあるかと思えば此の下郎げろうめが居て、地べたへ膝を突かせ、見なさる通りこれ此の様に衣類を泥だらけにいたした、無礼な奴だから打擲ちょうちゃく致したが如何いかゞ致した、拙者せっしゃの存分に致すから此処こゝへお出しなさい」
飯「孝助よく聞け、匹夫ひっぷ下郎げろうという者はおのれの悪い事を余所よそにして、主人をうらみ、むごい分らんとを張ってみずから舌なぞを噛み切り、あるいは首をくゝって死ぬ者があるが、手前は武士のたねだという事だから、よも左様な死にようは致すまいな、手打になるまで屹度きっと待っていろ」