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一聯
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いちれん
ふりがな文庫
“
一聯
(
いちれん
)” の例文
この
一聯
(
いちれん
)
の前の二句は、初心の
新発意
(
しんぼち
)
が冬の日に町に出て
托鉢
(
たくはつ
)
をするのに、まだ
馴
(
な
)
れないので「はち/\」の声が思い切って出ない。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
これは彼が、
所謂
(
いわゆる
)
自己嫌悪、肉親憎悪、人間憎悪
等
(
とう
)
の
一聯
(
いちれん
)
の特殊な感情を、多分に
附与
(
ふよ
)
されていたことを語るものであるかも知れない。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし、重苦しく
足蹴
(
あしげ
)
りに出来ないものは、
却
(
かえ
)
ってしがない職人である彼自身の内にあった。これもやっぱり
一聯
(
いちれん
)
の支配者なのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
『崇妻道歌』
一聯
(
いちれん
)
があると、彼の面目躍如たりでこの一文も
生
(
いき
)
るのだが、殘念ながら函底に
見當
(
みあた
)
らない。
こんな二人
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
何気なくそれを
披
(
ひら
)
いてみると、それは或る年上の女に与えられた
一聯
(
いちれん
)
の恋愛詩のようなものであった。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
大下組が街の
顔役
(
かおやく
)
とか、親方とかいう
一聯
(
いちれん
)
の徒党に対する政府の解散命令を
喰
(
くら
)
ってから、組の若い
者
(
もん
)
から、
三下
(
さんした
)
のちんぴらに至るまで
総
(
すべ
)
てが足を洗う様に余儀なくされた。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
今迄
(
いままで
)
書いた
一聯
(
いちれん
)
の文章も一望のうちに視野におさめることが出来る、そういう状態にいない限り観念を文字に変えて表わすことに難渋するということを
覚
(
さと
)
らざるを得なかった。
文字と速力と文学
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
同金銅
釈迦
(
しゃか
)
三尊像や、所謂
百済観音
(
くだらかんのん
)
像や、夢殿の
救世
(
くせ
)
観世音菩薩像、中宮寺の如意輪観音と称する
半跏
(
はんか
)
像の如き
一聯
(
いちれん
)
の神品は、
悉
(
ことごと
)
く皆日本美の淵源としての性質を備えている。
美の日本的源泉
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
また新羅との政治的関係も好ましくない切迫した背景もあって注意すべき
一聯
(
いちれん
)
の歌である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
然
(
しか
)
れども
花
(
はな
)
開
(
ひら
)
いて
絢爛
(
けんらん
)
たり。
昌黎
(
しやうれい
)
植
(
う
)
うる
處
(
ところ
)
、
牡丹
(
ぼたん
)
もと
紫
(
むらさき
)
、
今
(
いま
)
は
白紅
(
はくこう
)
にして
縁
(
ふち
)
おの/\
緑
(
みどり
)
に、
月界
(
げつかい
)
の
採虹
(
さいこう
)
玲瓏
(
れいろう
)
として
薫
(
かを
)
る。
尚
(
な
)
ほ
且
(
か
)
つ
朶
(
はなびら
)
ごとに
一聯
(
いちれん
)
の
詩
(
し
)
あり。
奇
(
き
)
なる
哉
(
かな
)
、
字
(
じ
)
の
色
(
いろ
)
分明
(
ぶんみやう
)
にして
紫
(
むらさき
)
なり。
花間文字
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
半襟
(
はんえり
)
を十枚ばかり入れたのが
一函
(
ひとはこ
)
、
昆布
(
こんぶ
)
や
乾物
(
かんぶつ
)
類が一函、
小間物
(
こまもの
)
が一函、さまざまの
乾菓子
(
ひがし
)
を取りまぜて一函といった工合に積み重ねた高い
一聯
(
いちれん
)
の重ね箱に、なお、
下駄
(
げた
)
や昆布や乾物等をも加えて
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
右近は、清洲城の
一聯
(
いちれん
)
である
鳴海
(
なるみ
)
の出城を預けられている
山淵左馬介義遠
(
やまぶちさまのすけよしとお
)
の子だ。織田諸将のうちでも、重臣の者の子である。——青木綿の陣羽織一着で、春も秋も越している彼とは、格がちがう。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
是
(
これ
)
は『
千鳥掛集
(
ちどりがけしゅう
)
』の
一聯
(
いちれん
)
であった。流人は伊豆の島では自活が本則であった故に、いつも浜ばかりあるいてひどいものを拾って食っていた。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そういう
一聯
(
いちれん
)
の出来事が、銀座街を中心に継起して暫くの後、やっぱり銀座通りのRという大洋服店のショウ・ウインドウの前に、妙な男が立止っていた。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
何気なくそれを
披
(
ひら
)
いてみると、それは或る年上の女に与えられた
一聯
(
いちれん
)
の恋愛詩のようなものであった。
楡の家
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
といふ
一聯
(
いちれん
)
の
言
(
ことば
)
を
刻
(
きざ
)
んだのを、……今に到つて忘れない。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
もしもそんな宮があったら
鼓
(
つづみ
)
を打って
手向
(
たむ
)
けるだろうくらいなところで、この
一聯
(
いちれん
)
の句はできたのであった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
或る日万葉集に読みふけっているうちに
一聯
(
いちれん
)
の挽歌に出逢い、ああ此処にもこういうものがあったのかとおもいながら、なんだかじっとしていられないような気もちがし出しました。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
ある
一聯
(
いちれん
)
の残酷な、
血腥
(
ちなまぐさ
)
い、異様に不可解な犯罪事件の、首尾一貫した記録であって、そこに
記
(
しる
)
された有名な心理学者達の名前は、明かに実在のものであって、我々はそれらの名前によって
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
という
一聯
(
いちれん
)
があって写生かと思われる。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その詩の最後の
一聯
(
いちれん
)
のごときは
旅の絵
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
“一聯”の意味
《名詞》
一 聯(いちれん)
漢詩で、一対の句。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
聯
漢検準1級
部首:⽿
17画
“一聯”で始まる語句
一聯隊