“とうしん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
燈心36.2%
燈芯25.9%
灯心10.3%
刀身5.2%
東晋3.4%
盗心3.4%
頭身3.4%
冬心1.7%
東清1.7%
祷審1.7%
等身1.7%
答申1.7%
鄧戩1.7%
頭心1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その身は静に男の羽織着物を畳んで角帯かくおびをその上に載せ、枕頭まくらもとの煙草盆の火をしらべ、行燈あんどう燈心とうしんを少しく引込め、引廻した屏風びょうぶはしを引直してから
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
と、切燈台きりとうだい燈芯とうしんが、ボッと、赤い焔を横に寝かしましたので、オヤと、老人が筆をめて横を見ると、そこが、三、四寸ほどいている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ポウッと薄黄色の灯心とうしんの光が闇黒ににじんで、珍しく取り片づいた部屋のありさまが栄三郎の眼にうつった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
鞘を払うと、刀身とうしんは鍔元に一点の錆を浮べただけで青白く輝いていた。彼は陰惨な笑いを顔に浮べた。そしてまたそっと蒲団の上に匐い寄っていった。
蘇生 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
支那シナの歴史の中で、東晋とうしん恵帝けいていは古今独歩の闇君あんくんと認められているが、或る年天下大いに飢え、万民こくとぼしと侍臣じしんが奏上した時に、そうか米が無いか
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
泥棒を知らなかったのを恥じさせる社会はのろわれている。盗心とうしんということを度外視すれば、うしても人間業とは考えられない。想像は自然何か特に有害な動物の上に及ぶ。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
下人は、六分の恐怖きやうふと四分の好奇心とに動かされて、暫時は呼吸いきをするのさへ忘れてゐた。舊記の記者きしやの語を借りれば、「頭身とうしんの毛も太る」やうに感じたのである。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
羅両峰らりやうほう鬼趣図きしゆづとか云ふのは、写真版になつたのを見た事があつた。両峯は冬心とうしん御弟子おでしだから、あの鬼趣図のプロトタイプも、こんな所にあるのかも知れない。
支那の画 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
東清とうしん鉄道あたりの従業員は、日本人と露西亜ロシア人とで冬になるとことにエネルギイの差が目立つといふことをきいてゐるが、今頃の鎌倉を濶歩くわつぽしてゐる西洋人を見るとさうだらうと思ふ。
一番気乗のする時 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
祷審とうしん法などのあるのを見れば、文化低級の人民中に行われる法律の特質をも有していることが知られる。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
尋常じんじやうな、をんなひとほどにえつけ。等身とうしんのお祖師様そしさまもござれば丈六ぢやうろく弥陀仏みだぶつさつしやる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
婦人探偵たちの一致した答申とうしんでした。そこで私はこの旨を池上侯爵家へ報告しました。それでそのことは片附いたんです。
千早館の迷路 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかも王なお屈せず、衝撃いよいよ急なり。たまたままた暴飇ぼうひょう起り、おくひるがえす。燕軍之に乗じ、傑等おおいついゆ。燕兵追いて真定城下に至り、驍将ぎょうしょう鄧戩とうしん陳鵰ちんちゅう等をとりこにし、斬首ざんしゅ六万余級、ことごとく軍資器械を得たり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
疲れてふと洞窟のゆかへ身を投げてすと、昏々こんこんとして二日もさめないことがある。そんな時、頭心とうしんだけがきりのようにげていた。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)