刀身とうしん)” の例文
これだけいって、こし般若丸はんにゃまるをひきいたが、その刀身とうしんは、いきなりまっにひかって見えた。うしろのほのおはもう高い火柱ひばしらとなっていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鞘を払うと、刀身とうしんは鍔元に一点の錆を浮べただけで青白く輝いていた。彼は陰惨な笑いを顔に浮べた。そしてまたそっと蒲団の上に匐い寄っていった。
蘇生 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
さやを払って刀身とうしんっと眺めながら米問屋の主人は言った。
栗の花の咲くころ (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)