トップ
>
灯心
>
とうしん
ふりがな文庫
“
灯心
(
とうしん
)” の例文
旧字:
燈心
ところへ花道から俳人
高浜虚子
(
たかはまきょし
)
がステッキを持って、白い
灯心
(
とうしん
)
入りの帽子を
被
(
かぶ
)
って、
透綾
(
すきや
)
の羽織に、
薩摩飛白
(
さつまがすり
)
の
尻端折
(
しりっぱしょ
)
りの半靴と云うこしらえで出てくる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ポウッと薄黄色の
灯心
(
とうしん
)
の光が闇黒ににじんで、珍しく取り片づいた部屋のありさまが栄三郎の眼にうつった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
田辺が家は
御明
(
みあかし
)
灯心
(
とうしん
)
の
類
(
たぐひ
)
を商ひぬれば、
二一八
所せく人の入りたちける中に、都の人の忍びの
詣
(
まうで
)
と見えて、いと
二一九
よろしき女一人、
丫鬟
(
わらは
)
一人、
二二〇
薫
(
たき
)
物もとむとてここに立ちよる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
平次は二本
灯心
(
とうしん
)
の
行灯
(
あんどん
)
を引寄せて、踏台の上に腰を掛けました。広々としたお勝手は念入りに磨き抜かれて、
塵
(
ちり
)
一つない有様、十七年間忠勤を
擢
(
ぬき
)
んでたという、お越の働き振りが思いやられます。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
屏風
(
びょうぶ
)
の陰に用い慣れた
寄木
(
よせき
)
の小机を置く。
高岡塗
(
たかおかぬり
)
の
蒔絵
(
まきえ
)
の
硯筥
(
すずりばこ
)
は書物と共に
違棚
(
ちがいだな
)
に移した。机の上には油を
注
(
さ
)
した
瓦器
(
かわらけ
)
を供えて、昼ながらの
灯火
(
ともしび
)
を一本の
灯心
(
とうしん
)
に
点
(
つ
)
ける。灯心は新らしい。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
声の幅に絶えざる変化があって、曲りが見えて、丸みを帯びている。
蝋燭
(
ろうそく
)
の
灯
(
ひ
)
の細きより始まって次第に福やかに広がってまた油の尽きた
灯心
(
とうしん
)
の花と
漸次
(
ぜんじ
)
に消えて行く。どこで吠えるか分らぬ。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
灯
常用漢字
小4
部首:⽕
6画
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“灯心”で始まる語句
灯心草