“しんぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
辛抱57.4%
辛棒22.4%
心棒6.0%
辛防6.0%
忍耐1.6%
榛莽1.6%
侵暴0.5%
信望0.5%
寝房0.5%
森貌0.5%
(他:5)3.0%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかも、青年がいら/\していることが、自分がいるためであると思うと、美奈子は何うにも、辛抱しんぼうが出来なかった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「まよわないでやってみたまえ、辛抱しんぼうして疎漏そろうのないように」と、例の激励げきれいの言葉をくりかえしました。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
私たちはこの一つの字にも人間の協力を見ることができ、そうして長い年月の経過を見、辛棒しんぼう強き労力を読むのである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
これなら下宿屋に居るも同じことだと思ふくらゐなら辛棒しんぼうも出来るが銀之助の腹の底には或物あるものがある。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「自分を生活の心棒しんぼうと思わないで、綺麗きれいに投げ出したら、もっとらくになれるよ」と私がまた兄さんに云いました。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
心棒しんぼうが曲りますと附いて居る者がな曲ります、眞達という弟子坊主が曲り、庄吉という寺男が曲る。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
辛防しんぼう肝心かんじんだと思って左右かわがわるに動かしたがやはり依然として歯は餅の中にぶら下っている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「こう苦しくっちゃ、いくら東京に辛防しんぼうしていたって、仕方がないからね。未来のない所に住んでるのは実際いやだよ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そこを思へば、叱られても、不自由な世帯に縮んでゐる、女子はまだも世間から、目指されぬのを徳にして、じつと忍耐しんぼう致しませう。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「ま、待ってくれ、つらかろうが、もすこし忍耐しんぼうしてくれ、そのうちには、叔母さんも考えてくる」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
簷を並べていた楼閣は影もなくなって榛莽しんぼうが一めんに繁っていた。彭はもし方角が違ったのではないかと思って、その辺を捜してまわったが、他にそれらしい建物も見えなかった。
荷花公主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
明るみから暗いところへ、曲りなりにも緒についた官の意企に従って、そう——かすかながらも植えつけられた文明の場所から、彼らは進んで、求めて、榛莽しんぼうの密林の土地にげこもうとしている。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
不善ある時はすなわち忠をもってこれを化し、侵暴しんぼうある時はすなわち仁をもってこれを固うした。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
生徒の信望しんぼうを集めていたという稲川先生は、一朝にして国賊こくぞく転落てんらくさせられたのである。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
軍庁の一閣に、侍臣は燭をとぼし、曹操は寝房しんぼうを出て、この深夜というに、ものものしく待ちかまえていた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その荘容そうよう森貌しんぼうにして、巍々ぎぎ堂々たる風丰ふうぼう、その古今に通じ天人を極めたる博学精識、その空想をいやしめ実学を務め、あくまで経験的の智識を重んずる
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
と、顔をあからめながら母たちの住んでいる北苑ほくえん深房しんぼうへ馳けこんでしまった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
命中めいちゅうさしてごらん。」と、みんなは、いしにぎったまま、真坊しんぼうのするのをていました。
真坊と和尚さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「しかられたって、こわくないね。しんちゃん。」と、まことくんが、真坊しんぼうかんがえをききました。
真坊と和尚さま (新字新仮名) / 小川未明(著)
この文の末尾に「天保辛卯しんぼう季秋きしゅう抽斎酔睡すいすい中に㦣言えいげんす」と書してある。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
諸君しよくん好奇心こうきしんからわざはひまねいたばつとして、海底戰鬪艇かいていせんとうてい竣成しゆんせいしたあかつきにも、裝飾かざり船室せんしつ辛房しんぼうせねばなりませんよ。』
山に上らうといふ者は、それくらゐの事は辛捧しんぼうせざるべからず。
秋の筑波山 (新字新仮名) / 大町桂月(著)