“北苑”の読み方と例文
読み方割合
ほくえん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もう濁流にせかれる花と泡沫うたかたの明滅みたいに、白い素足やら夜風のなかの被衣かずき、また、みだれにまかす黒髪などが、むかし薔薇園しょうびえんとよばれた六波羅北苑ほくえんの木戸から東山のほうへ落ちて行き
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、顔をあからめながら母たちの住んでいる北苑ほくえん深房しんぼうへ馳けこんでしまった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
徐州城内の、北苑ほくえん、呂布の家族や女たちのみいる禁園であった。十四ばかりの少女が、芙蓉の花を折りながら歌っている。歌に甘えて、その背へ、うしろから抱きついているのは、少女の妹であろう。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)