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さしかゝ
語句 | 割合 |
差掛 | 45.5% |
差懸 | 27.3% |
臨 | 18.2% |
指懸 | 9.1% |
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猶且毎朝のやうに
此の
朝も
氣が
引立たず、
沈んだ
調子で
或る
横町に
差掛ると、
折から
向より
二人の
囚人と四
人の
銃を
負ふて
附添ふて
來る
兵卒とに、ぱつたりと
出會す。
最も
路のない
処を
辿るのではなかつた。
背後に、
尚ほ
覚果てぬ
暁の
夢が
幻に
残つたやうに、
衝と
聳へた
天守の
真表。
差懸つたのは
大手道で、
垂々下りの
右左は、
半ば
埋れた
濠である。
此石山の川岸に
臨れる所に
奇しき石あり、其
形ち
磨磐の如く、上下
平にして
周は三角四角五角八角等にして、
石工の切立し如く、色は青黒し。是を掘出したる
跡もありて
洞のごとし。
落せしかば誠に
勿化の幸ひなりと悦びながら足を早めて
馳る程に
頓て鈴ヶ森へぞ
指懸りける斯る所に
並木の蔭より
中形縮緬の小袖の
裾高く
端折黒繻子の
帶を
脊にて
堅く
結び
緋縮緬の
襷を
懸貞宗の
短刀を