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差懸
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さしかゝ
ふりがな文庫
“
差懸
(
さしかゝ
)” の例文
俥
(
くるま
)
はやがて
町端
(
まちはづれ
)
を離れて、暗い田舎道へ
差懸
(
さしかゝ
)
つた。
黝
(
くろ
)
い山の姿が月夜の空にそゝり立つて、海のやうに煙つた青田から、蛙が物凄く
啼
(
な
)
きしきつてゐた。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
最
(
もつと
)
も
路
(
みち
)
のない
処
(
ところ
)
を
辿
(
たど
)
るのではなかつた。
背後
(
うしろ
)
に、
尚
(
な
)
ほ
覚果
(
さめは
)
てぬ
暁
(
あかつき
)
の
夢
(
ゆめ
)
が
幻
(
まぼろし
)
に
残
(
のこ
)
つたやうに、
衝
(
つ
)
と
聳
(
そび
)
へた
天守
(
てんしゆ
)
の
真表
(
まおもて
)
。
差懸
(
さしかゝ
)
つたのは
大手道
(
おほてみち
)
で、
垂々下
(
だら/\お
)
りの
右左
(
みぎひだり
)
は、
半
(
なか
)
ば
埋
(
うも
)
れた
濠
(
ほり
)
である。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
看上
(
みあ
)
ぐるばかりの
大熊手
(
おほくまで
)
を
担
(
かつ
)
ぎて、
例
(
れい
)
の
革羽織
(
かはばおり
)
の
両国橋
(
りやうごくばし
)
の中央に
差懸
(
さしかゝ
)
り
候処
(
そろところ
)
一葬儀
(
いちさうぎ
)
の
行列
(
ぎやうれつ
)
前方
(
ぜんほう
)
より
来
(
きた
)
り
候
(
そろ
)
を
避
(
さ
)
くるに
由
(
よし
)
なく
忽
(
たちまち
)
ち
之
(
これ
)
を
河中
(
かちう
)
に
投棄
(
なげす
)
て、
買直
(
かいなほ
)
しだ/\と
引返
(
ひきかへ
)
し
候
(
そろ
)
を
小生
(
せうせい
)
の
目撃致候
(
もくげきいたしそろ
)
は
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
差
常用漢字
小4
部首:⼯
10画
懸
常用漢字
中学
部首:⼼
20画
“差”で始まる語句
差支
差
差覗
差向
差出
差俯向
差別
差当
差配
差置