“ことがら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
事柄80.3%
事件6.1%
事情3.0%
事故1.5%
事実1.5%
事實1.5%
事物1.5%
事象1.5%
問題1.5%
履歴1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『えゝ只今たゞいま足下そくか御關係ごくわんけい事柄ことがらで、申上まをしあげたいとおもふのですが。』と、市役所員しやくしよゐん居並ゐなら人々ひと/″\挨拶あいさつむとした。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
信吾去り、志郎去り、智恵子去り、吉野去つて、夏二月の間に起つた種々いろいろ事件ことがらが、一先ひとま結末をはりを告げた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
仁智じんち明斷めいだんの大岡殿も久八が助命じよめいの儀を甲州屋吉兵衞にはかに願ひ出たるは如何なる事情ことがら有ての儀やと勘考かんかうせられし處今吉兵衞が長々なが/\しき申立を奇異きいのことに思はれしが再度ふたゝび熟考じゆくかうあるに久八が千太郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
付て參りし所淺草福井町とやら申町迄いたり其所の路次ろじへ入候は最早もはや丑刻頃やつどきごろとも覺敷おぼしく候に付其夜は外にて夜をあかし翌朝右の駕籠屋へ參り段々相尋あひたづね委細ゐさい事故ことがら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
來りし甲斐かひもなく甚だ殘念に存するのみ既に師父の葬送さうそうは門弟中あつく世話致し呉し由ゆゑ道場の跡片付あとかたづけなどすまして漸々やう/\今日けふ此所までもどりしなりと此程の事故ことがら
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『なむあみだぶ。』と口の中で繰返し乍ら奥様が出て行つた後、やゝしばらく丑松は古壁に倚凭よりかゝつて居た。哀憐あはれみ同情おもひやりとは眼に見ない事実ことがらを深い『生』の絵のやうに活して見せる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
砂利じやりに摺付しばらく泣伏なきふし居たりける越前守殿いなこれには何か深き仔細ありと見て取られ押返おしかへして如何に久八其方事御所刑しおきの儀は願はずとものがるゝ事に非ずさりながら公儀こうぎに於ては事實ことがら分明ぶんみやうならざる上は假にも御所刑しおきには爲給はず其方唯今申たるには千太郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
授業が始つてからも、時々眼前めのまへ事物ことがらに興味を失つて、器械のやうに読本の講釈をして聞かせたり、生徒の質問に答へたりした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
眼前めのまえにある事象ことがらにのみ囚われまいとする心、何とかして不幸な犠牲者を救いたいと思う心、その二つの混淆こんこうした気持を胸にいだきながら岸本は例の二階の方へ行った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
もつとも蓮太郎のは哲学とか経済とかの方面から左様さういふ問題ことがらを取扱はないで、むしろ心理の研究に基礎どだいを置いた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あげおほせの如く此久八は元三州藤川宿の町外れに捨置すておかれし身に御座候(これより久八の履歴ことがらは六右衞門が申立の讀續よみつゞきなれども人情にんじやう貫徹つらぬかざる所も有により讀本よみほん口調くてうかゆれば諸君みなさん怪給あやしみたまふなかれ)
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)