“じゞつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
事實60.0%
事実40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さうして、その屍骸は皆、それが、甞、生きてゐた人間だと云ふ事實じゞつさへ疑はれる程、土を捏ねて造つた人形にんぎやうのやうに、口をいたり手を延ばしたりしてごろごろゆかの上にころがつてゐた。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一ツは好事家かうずか随筆ずゐひつに、物凄ものすごくもまたおそろしくしるされる。あさあんずるに、随筆ずゐひつからつて講釈かうしやく仕組しくんでえんずるのであらうとおもふが、いたはうむと、うそらしいがせられて事実じゞつこえる。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、想像さうざう矢張やはりわるはうへばかりはしらうとする。如何どうかすると、恋人こひゞとつたことを、すでうごかすべからざる事実じゞつめてしまつてゐる。さうして、其事実そのじゞつのうへに、色々いろ/\不幸ふかう事実じゞつをさへきづきあげてゐる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
あとなんのことかわからぬ。が事実じゞつ事実じゞつである。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)