事實じゞつ)” の例文
新字:事実
ぬすんだナ!』と王樣わうさま陪審官ばいしんくわんかへりみながらさけばれました、陪審官ばいしんくわんえず事實じゞつ備忘録びばうろくつくつてゐました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
みぎ次第しだいにて此度このたび大陰暦たいゝんれきあらためて大陽暦たいやうれきにはかに二十七日のおこしたれどもすこしもあやしむにらず。事實じゞつそんにもあらず、とくにもあらず、千萬歳ののちいたるまで便利べんりしたるなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
さうして、その屍骸は皆、それが、甞、生きてゐた人間だと云ふ事實じゞつさへ疑はれる程、土を捏ねて造つた人形にんぎやうのやうに、口をいたり手を延ばしたりしてごろごろゆかの上にころがつてゐた。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)