事実じゞつ)” の例文
旧字:事實
一ツは好事家かうずか随筆ずゐひつに、物凄ものすごくもまたおそろしくしるされる。あさあんずるに、随筆ずゐひつからつて講釈かうしやく仕組しくんでえんずるのであらうとおもふが、いたはうむと、うそらしいがせられて事実じゞつこえる。
怪力 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、想像さうざう矢張やはりわるはうへばかりはしらうとする。如何どうかすると、恋人こひゞとつたことを、すでうごかすべからざる事実じゞつめてしまつてゐる。さうして、其事実そのじゞつのうへに、色々いろ/\不幸ふかう事実じゞつをさへきづきあげてゐる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
あとなんのことかわからぬ。が事実じゞつ事実じゞつである。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)