“けたふ”の漢字の書き方と例文
語句割合
蹴倒100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さし出し夫より四邊あたり立働たちはたらひまかたはらに立掛ありし鐵の延棒のべぼう故意わざと足にて蹴倒けたふし見るに少しもうごかず因て彌助は目方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おもふかおもはないうちに、つまたけ落葉おちばうへへ、ただ一蹴ひとけりに蹴倒けたふされた、(ふたたびほとばしごと嘲笑てうせう盜人ぬすびとしづかに兩腕りやううでむと、おれの姿すがたをやつた。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
めればふりきるそでたもとまづいましばしとびつうらみつりつく手先てさきうるさしと立蹴たちげにはたと蹴倒けたふされわつとこゑれとわがみゝりてかへるは何處いづこ
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかしをとこ咄嗟とつさに、わたしを其處そこ蹴倒けたふしました。丁度ちやうどその途端とたんです。わたしはをつとなかに、なんともひやうのないかがやきが、宿やどつてゐるのをさとりました。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
すかさず咽喉のどもと突貫つきとほさんとしけれども手先てさきくるひてほゝより口まで斬付きりつけたり源八もだえながら顏を見ればおたかなりしにぞ南無なむ三と蹴倒けたふして其所そこ飛出とびいだつれ七とともあと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これはあなたがたおもふやうに、いやしい色慾しきよくではありません。もしそのとき色慾しきよくほかに、なにのぞみがなかつたとすれば、わたしはをんな蹴倒けたふしても、きつとげてしまつたでせう。
藪の中 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)