遲速ちそく)” の例文
新字:遅速
いけを、あさから日沒につぼつまで、歩調ほてう遲速ちそくろんぜぬ、大略おほよそ十五時間じふごじかんあひだに、幾𢌞いくまはりか、囘數くわいすうおほいのをもつ勝利かちとする。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
僅かばかりの遲速ちそくを言へば、養ひ娘のお冬が一番早くて、妾のお小夜がそれに續き、内儀のお絹が一寸紙入が見えなかつたとやらで、ほんの少し遲れてもとの部屋に歸つたのです。
さとり遲速ちそくまつたひと性質たちで、それだけでは優劣いうれつにはなりません。やすくてもあとつかへてうごかないひともありますし、またはじながかつても、いよ/\場合ばあひ非常ひじやう痛快つうくわい出來できるのもあります。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたくしそれらぬではない、けれどいま容易ようゐならざる急變きふへん塲合ばあひである、一ぷんびやう遲速ちそく彼方かなた難破船なんぱせんのためには生死せいし堺界わかれめかもれぬ、くはふるに本船ほんせん右舷うげん當番たうばん水夫すゐふあれども眼無めなきがごと
きゝ道理もつともの願なりゆるし遣はすへだたれば遲速ちそくあり親子三人一間ひとまに於て切腹せつぷくすべければ此所へ參れとの御言葉に用人はかしこまり此旨このむね奧方おくがたへ申上げれば奧方には早速さつそく白裝束しろしやうぞくあらためられ此方の一間へ來り給ひなみだこぼさず良人をつとそばざして三人時刻を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
船長閣下せんちやうかくかはやく、はやく、難破船なんぱせん運命うんめいは一ぷんびやう遲速ちそくをもあらそひますぞ。