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そうぐう
ふりがな文庫
“
遭遇
(
そうぐう
)” の例文
御維新前
(
ごいっしんまえ
)
の日本人が海水浴の功能を味わう事が出来ずに死んだごとく、
今日
(
こんにち
)
の猫はいまだ裸体で海の中へ飛び込むべき機会に
遭遇
(
そうぐう
)
しておらん。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「わたくしの職業にも同じ必要に
遭遇
(
そうぐう
)
することはあるのです。しかしマドモアセユのために不愉快でしょう。」
花子
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
ちょうど
維新
(
いしん
)
前後の変動に
遭遇
(
そうぐう
)
しているのだから、母が身売りをした新町九軒の粉川と云う家も、
輿入
(
こしい
)
れの前に一時
籍
(
せき
)
を入れていた今橋の浦門と云う養家も
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
謙さんなどもやがて社会のなかの自分について一つの困難に
遭遇
(
そうぐう
)
せられることと存じます。学校の教師なども一つの労働として許される仕事だろうと思います。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
大地震
(
だいぢしん
)
に
遭遇
(
そうぐう
)
して
最初
(
さいしよ
)
の
一分間
(
いつぷんかん
)
を
無事
(
ぶし
)
に
凌
(
しの
)
ぎ
得
(
え
)
たとし、
又
(
また
)
餘震
(
よしん
)
や
地割
(
ぢわ
)
れは
恐
(
おそ
)
れるに
足
(
た
)
らないものとの
悟
(
さと
)
りがついたならば、
其後
(
そのご
)
災害防止
(
さいがいぼうし
)
について
全力
(
ぜんりよく
)
を
盡
(
つく
)
すことが
出來
(
でき
)
よう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
▼ もっと見る
すなわち弟子たちが伝道上の困難や不成績に
遭遇
(
そうぐう
)
して意気
沮喪
(
そそう
)
することなきよう、神の国の建設は神御自身の業であることを知り、希望をもって聖言の種播きを励み続けるよう
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
自己の心の
据
(
す
)
えどころこそ成敗を
測
(
はか
)
る
尺度
(
しゃくど
)
であって、この尺度が
曲
(
ま
)
がらぬ以上は、いかなる失敗に
遭遇
(
そうぐう
)
しても心に
憂
(
うれ
)
うることがない、これ
霊丹
(
れいたん
)
一
粒
(
りゅう
)
、鉄を
点
(
てん
)
じて
金
(
きん
)
と成すものか。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
万一の事に
遭遇
(
そうぐう
)
して、われらの斬り死になすはいと易いが、殿のお体はまだまだ充分でないし、片脚のきかぬ
御身
(
おんみ
)
を以ては、とても敵地を駆け抜けることは難しい。……一体どこを
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし少くとも常子だけは半年ばかりたった
後
(
のち
)
、この誤解に安んずることの出来ぬある新事実に
遭遇
(
そうぐう
)
した。それは
北京
(
ペキン
)
の柳や
槐
(
えんじゅ
)
も黄ばんだ葉を落としはじめる十月のある
薄暮
(
はくぼ
)
である。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「本船は予定したる時刻においてクイーン・メリー号に
遭遇
(
そうぐう
)
せず、さらにその時刻の前後においても遭遇せず。ついに
船影
(
せんえい
)
すらもみとめざりき。海上は風やや強きも
難航
(
なんこう
)
の程度にあらず」
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
元禄時代に対する
回顧
(
かいこ
)
がそれである。見よ、彼らの亡国的感情が、その祖先が一度
遭遇
(
そうぐう
)
した時代閉塞の状態に対する同感と思慕とによって、いかに
遺憾
(
いかん
)
なくその美しさを発揮しているかを。
時代閉塞の現状:(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
寄木
(
よりき
)
・流木の言い伝えなどは、これに
比
(
くら
)
べると
遭遇
(
そうぐう
)
がやや多く、また若干の文献にも恵まれているが、なお我々は国内の山野が、かつて巨大の樹木をもって
蔽
(
おお
)
われ、それが次々と自然の力によって
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
天平
(
てんぴょう
)
六年、
海犬養岡麿
(
あまのいぬかいのおかまろ
)
が詔に
応
(
こた
)
えまつった歌である。一首の意は、天皇の御民である私等は、この天地と共に栄ゆる盛大の御世に
遭遇
(
そうぐう
)
して、何という
生
(
い
)
き
甲斐
(
がい
)
のあることであろう、というのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「新思想の開拓者が、
遭遇
(
そうぐう
)
するのは、
嘲笑
(
ちょうしょう
)
と非難のほかの何物でもない。はじめて
逢
(
あ
)
ったきわめて教養の低い腕白小僧すら、彼らを見下していうのである。『彼らは愚かしいことに従事している』と」
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
青島、おまえと堂脇との
遭遇
(
そうぐう
)
戦についても簡単に報告しろよ。
ドモ又の死
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
主人も白と云う注文で買って来たのであるが——何しろ十二三年以前の事だから白の時代はとくに通り越してただ今は
濃灰色
(
のうかいしょく
)
なる変色の時期に
遭遇
(
そうぐう
)
しつつある。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし哲学者として立言するには至らなかった。歴史においては、初め手を下すことを予期せぬ境であったのに、経歴と
遭遇
(
そうぐう
)
とが人のために伝記を作らしむるに至った。
なかじきり
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それが
図
(
はか
)
らずも、数十年後、自分と同じ夢の持主とこの世で
遭遇
(
そうぐう
)
したのである。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
半三郎はこのほかにも幾多の危険に
遭遇
(
そうぐう
)
した。それを一々
枚挙
(
まいきょ
)
するのはとうていわたしの
堪
(
た
)
えるところではない。が、半三郎の日記の中でも最もわたしを驚かせたのは
下
(
しも
)
に掲げる出来事である。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ああわれらモータル! あるいは今年の夏には他の二つの不祥に
遭遇
(
そうぐう
)
せねばならぬかもしれません。私は葬式後
初七日
(
しょなのか
)
の喪のあけぬまの、funèbre な空気のなかでこの手紙を書きました。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
僕はずいぶん異なった境遇に
遭遇
(
そうぐう
)
したあまたの人に接して考える。教訓も忠告も、その百分の一も功の無きはこれを受ける人の真情に当たらぬのと、これを受ける人に対する同情の
薄
(
うす
)
きによると思う。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
今から考えるとその時はすでに家の内に這入っておったのだ。ここで吾輩は
彼
(
か
)
の書生以外の人間を再び見るべき機会に
遭遇
(
そうぐう
)
したのである。第一に逢ったのがおさんである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは二十日ほど前に
遭遇
(
そうぐう
)
した四条
勧進田楽
(
かんじんでんがく
)
の
大椿事
(
だいちんじ
)
のときである。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信仰の問題についても私は一つの困難に
遭遇
(
そうぐう
)
いたしました。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
遭
常用漢字
中学
部首:⾡
14画
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
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