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遠
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をち
ふりがな文庫
“
遠
(
をち
)” の例文
と長く声を引いて
独言
(
ひとりごと
)
を言っているのを、夫人は横目にながめて、「浦より
遠
(
をち
)
に
漕
(
こ
)
ぐ船の」(我をば
他
(
よそ
)
に隔てつるかな)と低く言って、物思わしそうにしていた。
源氏物語:14 澪標
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
│虹の輪にひとしほ冴ゆる早稲田の水田の
遠
(
をち
)
の
燈火
(
ともしび
)
の列 (同上)
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
遠
(
をち
)
かたに星のながれし道と見し川のみぎはに出でにけるかな
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
大和なれば
塔
(
あららぎ
)
は見ゆいらか見ゆ菜たねがらやく畑の
遠
(
をち
)
に
大和ぶり
(新字旧仮名)
/
佐佐木信綱
(著)
桜さく丘にのぼれば
遠
(
をち
)
かたの松ふく風の声かそかなり
桜
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
霧島はおごそかにして
高原
(
たかばる
)
の
木原
(
きはら
)
を
遠
(
をち
)
に雲ぞうごける
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
涯
(
きはみ
)
も知らぬ
遠
(
をち
)
のすゑ、
黒線
(
くろすぢ
)
とほくかすれゆけば
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
遠
(
をち
)
の船、さながら
幸
(
さち
)
の
盞
(
さかづき
)
と。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
遠
(
をち
)
にちらばる星と星よ!
山羊の歌
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
遠
(
をち
)
かたの跡なきにただ
池のほとりに柿の木あり
(新字旧仮名)
/
三好達治
(著)
五百重
(
いほへ
)
の
遠
(
をち
)
に射渡るを
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
遠
(
をち
)
の
水音
(
みおと
)
も面白し。
北村透谷詩集
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
天華
(
てんげ
)
さく
遠
(
をち
)
の雲
信姫
(新字旧仮名)
/
末吉安持
(著)
五月野
(
さつきの
)
の
遠
(
をち
)
を
行
(
ゆ
)
く
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
太鼓一つとんとろと鳴れり炎天の
遠
(
をち
)
ひた寂しかも青田見てゐて
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ながめやる
遠
(
をち
)
の里人いかならんはれぬながめにかきくらすころ
源氏物語:53 浮舟
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
君さけぶ道のひかりの
遠
(
をち
)
を見ずやおなじ
紅
(
あけ
)
なる
靄
(
もや
)
たちのぼる
みだれ髪
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
涯
(
きはみ
)
も知らぬ
遠
(
をち
)
のすゑ、
黒線
(
くろすぢ
)
とほくかすれゆけば
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
この世は
遠
(
をち
)
にたそがれつ
都喜姫
(新字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
遠
(
をち
)
に歸りぬ
花守
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
はるかにも思ひやるかな知らざりし浦より
遠
(
をち
)
に浦づたひして
源氏物語:13 明石
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
田の
遠
(
をち
)
は若葉かがやく日ざかりを往還の埃吹きつけはしれり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
春の海いま
遠
(
をち
)
かたの波かげにむつがたりする
鰐鮫
(
わにざめ
)
おもふ
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
蹈鞴
(
たゞら
)
しこふむ
勢
(
いきほひ
)
に、
遠
(
をち
)
の
砂山
(
すなやま
)
崩れたり。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
幽
(
かす
)
かにも
水沼
(
みぬま
)
の
遠
(
をち
)
を
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
田の
遠
(
をち
)
は若葉かがやく日ざかりを往還の埃吹きつけはしれり
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
月のすむ川の
遠
(
をち
)
なる里なれば桂の影はのどけかるらん
源氏物語:18 松風
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
蹈鞴
(
たたら
)
しこふむ
勢
(
いきほひ
)
に、
遠
(
をち
)
の砂山崩れたり。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
見よ、空の
遠
(
をち
)
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
早や秋、早稲の穂づらを飛ぶ
禽
(
とり
)
の一羽二羽
軽
(
かろ
)
し
涼風
(
すゞかぜ
)
の
遠
(
をち
)
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
山風に
霞
(
かすみ
)
吹き解く声はあれど隔てて見ゆる
遠
(
をち
)
の白波
源氏物語:48 椎が本
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
遠
(
をち
)
の
柴山
(
しばやま
)
かけて飛ぶ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
板わたす用水堀のこぬか雨
遠
(
をち
)
田
近
(
こち
)
田もとみに萌えつつ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
すそあかる
黄
(
あめ
)
いろの
遠
(
をち
)
に、
海鳥
(
うみどり
)
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
遠
常用漢字
小2
部首:⾡
13画
“遠”を含む語句
遠方
永遠
遠雷
遠近
迂遠
遠江
無遠慮
遠眼鏡
遠国
望遠鏡
遠灯
遠々
遠離
遠望
遠慮
遠退
遠山
待遠
遠路
遠吠
...