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輿入
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こしいれ
ふりがな文庫
“
輿入
(
こしいれ
)” の例文
其処
(
そこ
)
へ和上の縁談が伝はつたので
年寄
(
としより
)
仲間は皆眉を
顰
(
ひそ
)
めたが、
何
(
ど
)
う云ふ
運命
(
まはりあはせ
)
であつたか、
愈
(
いよ/\
)
呉服屋の娘の
輿入
(
こしいれ
)
があると云ふ
三日前
(
みつかまへ
)
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
さればこのたび川島家と縁談整いて、
輿入
(
こしいれ
)
済みし時は、浪子も息をつき、父中将も、継母も、伯母も、
幾
(
いく
)
も、皆それぞれに息をつきぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「同じ甲州でござんすけれども、ここからはだいぶ離れておりまして、萩原領の
八幡
(
やわた
)
村というところからお
輿入
(
こしいれ
)
でござんすとやら」
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一
頻
(
しき
)
り世間を騒がせた結婚沙汰が
取
(
と
)
り
極
(
き
)
められて、
愈々
(
いよ/\
)
名妓八千代が
菅家
(
すがけ
)
へ
輿入
(
こしいれ
)
のその当日、花婿の
楯彦
(
たてひこ
)
氏は恥かしさうに一寸鏡を見ると
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「——登子さまの方でも、わが
聟君
(
むこぎみ
)
となる人はたれか、それさえご存知なくして、お
輿入
(
こしいれ
)
を得心あろうはずもござりませねば」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「吉田さんへ」、と雪江さんは皮を
剥
(
む
)
く手を
止
(
と
)
めて、「
私
(
あたし
)
些
(
ちっ
)
とも知らなかったけど、今晩が春子さんのお
輿入
(
こしいれ
)
なんですって。 ...
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
それや、これやでお
輿入
(
こしいれ
)
も延びているところへ、あの教頭さんがお
出
(
い
)
でて、是非お嫁にほしいとお云いるのじゃがなもし
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの人は、友吉をからかつて喜んで居ましたが、根がしつかり者で、滅多な人に氣を許しませんでした。お大名にでも
輿入
(
こしいれ
)
する氣だつたんでせう」
銭形平次捕物控:256 恋をせぬ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
茶碗のかけ一つも持ち出した物はなく、
輿入
(
こしいれ
)
の時に持つて行つた自分の荷物さへ満足に返しては貰ひません。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一月十七日をもて彼は熱海の月下に貫一に別れ、その三月三日を
択
(
えら
)
びて富山の家に
輿入
(
こしいれ
)
したりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
侍女一
御挨拶
(
ごあいさつ
)
でございます。美しいかどうかは存じませんけれど、異った支度には違いないのでございます。若様、かねてのお望みが
叶
(
かな
)
いまして、今夜お
輿入
(
こしいれ
)
のございます。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ざわざわした人の出はいりや、
輿入
(
こしいれ
)
の荷をはこび込む物音など、気ぜわしいあたりのようすを由紀はじっと坐ったまま、綿帽子のなかでよその世界のことのように聞いていた。
日本婦道記:藪の蔭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
紀伊が
奥勤
(
おくづとめ
)
をしてゐると、
元和
(
げんな
)
三年に振姫が
伊達忠宗
(
だてたゞむね
)
に
嫁
(
か
)
したので、紀伊も
輿入
(
こしいれ
)
の供をした。此間に紀伊の兄清長は流浪して、
因幡
(
いなば
)
鳥取に往つてゐて、
朽木宣綱
(
くつきのぶつな
)
の
女
(
むすめ
)
の腹に初子が出来た。
椙原品
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
輿入
(
こしいれ
)
の折は、義元の養女という資格であったから、貧しい三河者の
質子
(
ちし
)
である
聟殿
(
むこどの
)
とは、その支度の善美や、盛装の
眩
(
まば
)
ゆさは
較
(
くら
)
べものにならなかった。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
...
昨日
(
きのう
)
のようでございますがねエ」はらはらと落涙し「お
輿入
(
こしいれ
)
の時も、ばあやはねエあなた、あの立派なごようすを ...
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
十三代の将軍
温恭院殿
(
おんきょういんでん
)
(
家定
(
いえさだ
)
)の
御台所
(
みだいどころ
)
は、薩摩の
島津斉彬
(
しまづなりあきら
)
の娘さんであります。お
輿入
(
こしいれ
)
があってから僅か三年に満たないうちに、将軍が亡くなりました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
茶碗
(
ちゃわん
)
のかけ一つも持ち出した物はなく、
輿入
(
こしいれ
)
の時に持って行った自分の荷物さえ満足に返しては貰いません。
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その絵を引出物に、娘もめでたく
輿入
(
こしいれ
)
を済ませたらうと思つてゐると、つい鼻の先の新画展覧会に、その絵が大層もない値段で売物に出てゐるのが少くない。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
下谷淺草を湧かせて
輿入
(
こしいれ
)
を濟ませました。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
茶碗のかけ一つも持ち出した物はなく、
輿入
(
こしいれ
)
の時に持つて行つた自分の荷物さへ満足に返しては貰ひません。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
ことを一度盛大な
華燭
(
かしょく
)
をもって披露するも急務なりと考えられて来た。その結果、
曠
(
は
)
れて
輿入
(
こしいれ
)
をとにわかに、お市御料人の北ノ庄入りの盛儀が運ばれ出していたのである。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
二人
(
ふたり
)
の子供あれど、こは問題のほかとしてここに老女の
幾
(
いく
)
とて先の奥様の時より勤め、今の奥様の
輿入
(
こしいれ
)
後奥台所の大更迭を行われし時も中将の声がかりにて
一人
(
ひとり
)
居残りし女
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
雪子
娘
(
とう
)
さんのお
輿入
(
こしいれ
)
が済みましたら、二三日お暇を下さいますように、と云っているのであった。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この三、四日は、多少むッつりしていたが、べつだんな様子もなかったのに、三十日が
輿入
(
こしいれ
)
と聞いた——その前夜の二十九日、
真夜半
(
まよなか
)
だったが、何思ったか不意に蒲団を
刎
(
は
)
ね退けて
濞かみ浪人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
尊公の姪とは信長様の御正室——つまり亡き斎藤道三様の御息女にあたらせられる御方が、
美濃
(
みの
)
よりお
輿入
(
こしいれ
)
の折に
従
(
つ
)
いて来た頃より、ずっとお側に仕えておいである
萩路
(
はぎじ
)
どののことでござろうが
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三次
(
みよし
)
の城主浅野
因幡守長治
(
いなばのかみながはる
)
の娘で、
輿入
(
こしいれ
)
をする前までは
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宗矩には格式のある権門から
輿入
(
こしいれ
)
している妻室があった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
輿
漢検準1級
部首:⾞
17画
入
常用漢字
小1
部首:⼊
2画
“輿”で始まる語句
輿
輿論
輿丁
輿望
輿側
輿中
輿馬
輿轎
輿地
輿舁