身命しんめい)” の例文
一人大岡越前守のみ夫が邪曲じやきよくうかゞしり身命しんめい投打なげうち既往きわう今來こんらいを尋ね遂に奸計かんけい看破みやぶつて處刑しよけいせしといふ有名いうめいの談話にてかゝる奸物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いま海底戰鬪艇かいていせんとうてい成敗せいばい一身いつしんになへる貴下きか身命しんめいは、吾等われら身命しんめいして、幾十倍いくじふばい日本帝國につぽんていこくため愛惜あいせきすべきものなり。
「また、わが君のおうえにも、かならず輝きの日がまいりましょう。いや、不肖ふしょう民部の身命しんめいしましても、かならずそういたさねば相なりませぬ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其信心は何時から始まったか知らぬが、其夫が激烈げきれつ脚気かっけにかゝって已に衝心しょうしんした時、彼女は身命しんめいなげうって祈ったれば、神のお告に九年余命よめいさずくるとあった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
身命しんめいなき下拙わたくしに御座候へば、死する事は塵埃ぢんあいの如く、明日を頼まぬ儀に御座候間、いづれなり死の妙所を得て、天に飛揚致、御國家の災難を除き申度儀と堪兼候處より、相考居候儀に御座候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
こと身命しんめいに関する限り、迂濶うかつなるコン吉も迂濶のままではいられない。
すると、共通した問題とは何であるか、それこそはこの暗号の奥に秘められている大秘密でもあり、また敵の密偵長「右足のないふくろう」が身命しんめいして達成しようとしている大使命でなければならない!
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つくさせたくわたくしは出家しゆつけ遁世とんせいゆゑ母や弟をたすけ候事なれば身命しんめいすて候てもすくはんとぞんじ其盜賊なりと申いつはり候其夜全くの盜賊は迯去にげさりたり其譯そのわけは私事はゝや弟をたづねんと所々方々を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その活動力くわつどうりよくうしなつてあひだは、如何いかんともすること出來できません、吾等われらいさぎよく其處そこ身命しんめいなげうこと露惜つゆをしまぬが、其爲そのために、海底戰鬪艇かいていせんとうていつひ彼等かれら掠奪りやくだつされて御覽ごらんなさい
わたくし身命しんめいもあれ、この二人ふたりけは如何どうしてもすくはねばならぬのだ。