せむ)” の例文
巻中の画、老人が稿本かうほん艸画さうぐわしんにし、あるひは京水が越地にうつし真景しんけい、或里人さとびとはなしきゝに作りたるもあり、其地にてらしてあやまりせむることなかれ。
これをうちに誠あれば必ず外にあらわるというなり。いやしくも心をおさめずして、いたずらに外形をせむるは、あたかも方物につきて円影を求るがごとし。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
公子 貴女をせむるのではない。よしそれが人間の情愛なれば情愛でい、私とは何の係わりもないから。ちっとも構わん。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
巻中の画、老人が稿本かうほん艸画さうぐわしんにし、あるひは京水が越地にうつし真景しんけい、或里人さとびとはなしきゝに作りたるもあり、其地にてらしてあやまりせむることなかれ。
『いや貴方あなたは。こまつたな、まあおきなさい。』と、院長ゐんちやう寐臺ねだいそば腰掛こしかけけてせむるがやうにくびる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
以てサア有體に云々いへ/\きびし打擲うちたゝき種々手をかへせむると雖もお島は更にくつせず後にはまなことぢて一向に物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分妾狂めかけぐるいしながら息子むすこ傾城買けいせいがいせむる人心、あさましき中にも道理ありて、しちの所業たれ憎まぬ者なければ、酒のんで居ても彼奴きゃつ娘の血をうて居るわと蔭言かげごとされ、流石さすが奸物かんぶつ此処ここ面白からず
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
三千年前の項羽こううもって今日の榎本氏をせむるはほとんど無稽むけいなるにたれども、万古不変ばんこふへんは人生の心情にして、氏が維新いしんちょうに青雲の志をげて富貴ふうき得々とくとくたりといえども、時にかえりみて箱館はこだての旧を思い
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
吾人は二氏が難きを人にせむるの酷なるに驚く。
罪過論 (新字旧仮名) / 石橋忍月(著)
『いや貴方あなたは。こまったな、まあおきなさい。』と、院長いんちょう寐台ねだいそば腰掛こしかけけてせむるがようにくびる。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)