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せむ
巻中の画、老人が
稿本の
艸画を
真にし、
或は京水が越地に
写し
真景、或
里人の
話を
聞て
図に作りたるもあり、其地に
照して
誤を
責ることなかれ。
これを
中に誠あれば必ず外に
形るというなり。いやしくも心を
攻めずして、いたずらに外形を
責るは、あたかも方物に
就て円影を求るがごとし。
公子 貴女を
責るのではない。よしそれが人間の情愛なれば情愛で
可い、私とは何の係わりもないから。ちっとも構わん。
巻中の画、老人が
稿本の
艸画を
真にし、
或は京水が越地に
写し
真景、或
里人の
話を
聞て
図に作りたるもあり、其地に
照して
誤を
責ることなかれ。
『いや
貴方は。
困つたな、まあお
聞きなさい。』と、
院長は
寐臺の
傍の
腰掛に
掛けて
責るがやうに
首を
振る。
以てサア有體に
云々と
嚴く
打擲き種々手を
替責ると雖もお島は更に
屈せず後には
眼を
閉て一向に物を
自分
妾狂しながら
息子の
傾城買を
責る人心、あさましき中にも道理ありて、
七の所業
誰憎まぬ者なければ、酒
呑で居ても
彼奴娘の血を
吮うて居るわと
蔭言され、
流石の
奸物も
此処面白からず
三千年前の
項羽を
以て今日の榎本氏を
責るはほとんど
無稽なるに
似たれども、
万古不変は人生の心情にして、氏が
維新の
朝に青雲の志を
遂げて
富貴得々たりといえども、時に
顧みて
箱館の旧を思い
吾人は二氏が難きを人に
責るの酷なるに驚く。
『いや
貴方は。
困ったな、まあお
聞きなさい。』と、
院長は
寐台の
傍の
腰掛に
掛けて
責るがように
首を
振る。