ざう)” の例文
たふうへにははとあそぶさうである。く。花屋敷はなやしきをのがれたざうたふしたきた。ざう寶塔はうたふにしてしろい。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「月はなかつた筈だな、四月の二十三日だ。その上あの邊には常夜燈も自身番の行燈もない、——狼はおろか、ざうと鉢合せしたつてわからない筈だよ」
臈纈らふけち花文けもんざうはましろくてただにきよらの命びたり
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おぢさん「い〻へざうもすわつてます」
しわだむざう一群いちぐんよ、ふとしきあし練歩ねりあし
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
わたしの心の花のざうがあるばかり。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
ざうたはむれるやうななみ呻吟うなり
メランコリア (旧字旧仮名) / 三富朽葉(著)
ざうも耳立てゝ聞くかや秋の風
自選 荷風百句 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
御利益ごりやくで、怪我けがもしないで御堂おどうからうらはうへうか/\と𢌞まはつて、ざう野兎のうさぎ歩行あるきツくら、とちんかたちくと、たちまのちらつくくらがりに、眞白まつしろかほと、あを半襟はんえり爾側りやうがはから
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ざうの色まろらかにおもひしぬれ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
太郎「ざうつてるんでせう」
あはれ、わが幽鬱いううつざう
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)