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じゆ
ふりがな文庫
“
誦
(
じゆ
)” の例文
さうして、時々声に出して
誦
(
じゆ
)
する経文が、物の
音
(
ね
)
に譬へやうもなく、さやかに人の耳に響いた。聞く人自身の耳を疑ふばかりだつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
口に
経陀羅尼
(
きやうだらに
)
の法文を
誦
(
じゆ
)
して、夢にも現にも
市鄽
(
してん
)
栄花
(
えいぐわ
)
の巷に立入ること無く、朝も夕も山林
閑寂
(
かんじやく
)
の郷に行ひ済ましてあるべきなり。
二日物語
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
此時
(
このとき
)
堂上
(
だうじやう
)
の
僧
(
そう
)
は
一齊
(
いつせい
)
に
合掌
(
がつしやう
)
して、
夢窓國師
(
むさうこくし
)
の
遺誡
(
ゐかい
)
を
誦
(
じゆ
)
し
始
(
はじ
)
めた。
思
(
おも
)
ひ/\に
席
(
せき
)
を
取
(
と
)
つた
宗助
(
そうすけ
)
の
前後
(
ぜんご
)
にゐる
居士
(
こじ
)
も
皆
(
みな
)
同音
(
どうおん
)
に
調子
(
てうし
)
を
合
(
あは
)
せた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
わたくしは
上
(
かみ
)
に伊沢の家で毎旦孝経を
誦
(
じゆ
)
するを例としてゐたことを言つた。此例は蘭軒の父信階より始つた。そして信階は古文孝経を用ゐてゐた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
僧どもは皆經を
誦
(
じゆ
)
するに、我は
火伴
(
なかま
)
の童二人と共に、髑髏の
贄卓
(
にへづくゑ
)
の前に立ちて、
提香爐
(
ひさげかうろ
)
を振り動したり。骨もて作りたる燭臺に、けふは火を點したり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
「イエス・クリストよ。神の子よ。我等に
御恵
(
みめぐみ
)
を垂れ給へ。」先づかう唱へて、それから
頌
(
じゆ
)
を一つ
誦
(
じゆ
)
した。頌がまだ
畢
(
をは
)
らぬうちに、どこからか雀が一羽飛んで来て地の上に下りた。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
ト思ふ耳のはたに竹を
破
(
わ
)
る
響
(
ひびき
)
きこえて、僧ども
五三人
(
ごさんにん
)
一斉に声を
揃
(
そろ
)
へ、高らかに
誦
(
じゆ
)
する声耳を
聾
(
ろう
)
するばかり
喧
(
かし
)
ましさ
堪
(
た
)
ふべからず、
禿顱
(
とくろ
)
ならびゐる木のはしの法師ばら、何をかすると
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
観音経を
誦
(
じゆ
)
する事各一遍。
白くれない
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
曰
(
いわ
)
く、丁晋公臨終前半月、
已
(
すで
)
に
食
(
くら
)
はず、
但
(
ただ
)
香を
焚
(
た
)
いて
危坐
(
きざ
)
し、黙して仏経を
誦
(
じゆ
)
す、沈香の
煎湯
(
せんたう
)
を以て
時々
(
じゞ
)
少許
(
せうきよ
)
を
呷
(
あふ
)
る、神識乱れず、衣冠を正し、
奄然
(
えんぜん
)
として化し去ると。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
啻
(
たゞ
)
に国文を
誦
(
じゆ
)
するのみではなく、支那の典籍にも通じてゐた。現に
徳
(
めぐむ
)
さんの姉
良子
(
よしこ
)
刀自は、たかが子に授けむがために自ら書した
蒙求
(
まうぎう
)
を蔵してゐる。
拇指大
(
ぼしだい
)
の楷書である。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
誦
漢検1級
部首:⾔
14画
“誦”を含む語句
暗誦
口誦
読誦
誦経
復誦
諷誦
念誦
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黙誦
讀誦
大誦
誦念
諷誦文
誦読
愛誦
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拝誦
伝誦
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