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誘拐
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かどわか
ふりがな文庫
“
誘拐
(
かどわか
)” の例文
お夏を
誘拐
(
かどわか
)
した礼に清水和助から貰った金が五十や三十あったはずだ。それを与三松は腕っ節が弱いくせに欲の深い伊太郎にやった。
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そうかも知れねえ。女を
誘拐
(
かどわか
)
す悪党などというものは、悪智恵に
長
(
た
)
けているから、滅多に追いつかれるような方角へ逃げる筈はねえ」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それからの憂艱難と申しましたら……世間知らずの身の上が祟って……
誘拐
(
かどわか
)
されたり売られたり……そのあげくがこんな身分に……」
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
へい、あの
婆様
(
ばあさん
)
はどこへ行ったか居りません。「そうだろう。
彼奴
(
あいつ
)
もしたたか者だ。お藤を
誘拐
(
かどわか
)
して行ったに違いない。あの
嬢
(
こ
)
はまだ
小児
(
こども
)
だ。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一瞥
(
いちべつ
)
しつ「篠田の奴、実に
怪
(
け
)
しからん
放蕩漢
(
はうたうもの
)
だ、
芸妓
(
げいしや
)
を
誘拐
(
かどわか
)
して妾にする如き
乱暴漢
(
ならずもの
)
が、
耶蘇
(
ヤソ
)
信者などと澄まして居たのだから驚くぢやないか」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
▼ もっと見る
失礼は
持前
(
もちまえ
)
ですからね、とてもお前さんのようにお上品な
面
(
かお
)
をして、人の娘を
誘拐
(
かどわか
)
すようなことはできませんよ。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
亜米利加の男や女に
独身生活者
(
ひとりもの
)
が多いのは、そんな遊びのステキな気持ちよさを知っているからで、そんな人達に、方々から
誘拐
(
かどわか
)
して来た、美しい男や女を当てがって
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「わかりました。……つまり、
誘拐
(
かどわか
)
された上、自分の髪で呉絽を織らされる……」
顎十郎捕物帳:03 都鳥
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
斯ういう身分の者でさえも恩義を知って命を
捨
(
すて
)
ても己を救うというに、手前は何うだ、人を殺し金をぶったくり、
或
(
あるい
)
は追剥ぎ或は他人の娘を
誘拐
(
かどわか
)
して又は辱しめると云う、その悪行というものは
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
平次は、お静にいろいろのことを言い含めておいたはずですが、不思議なことに、
誘拐
(
かどわか
)
されたお静からは、何の合図もありません。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
殊に、女が
誘拐
(
かどわか
)
されたとか、
追剥
(
おいはぎ
)
にあって裸にされたとかいう小事件は、街道筋には朝に夕にあることで、めずらしくもなんともない。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「拙者だ、拙者だ、一式小一郎だ! ……卑怯姦悪未練の武士め! よくも桔梗様を
誘拐
(
かどわか
)
したな! 出せ出せ出せ! 桔梗様を出せ!」
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
おお、可哀相にさぞ
吃驚
(
びっくり
)
したろう、すんでのことで
悪漢
(
わるもの
)
が
誘拐
(
かどわか
)
そうとした。もう
好
(
よ
)
いわい、泣くな泣くな。と
背
(
せな
)
掻撫
(
かいな
)
でて
助
(
いたわ
)
れば、得三もほっと
呼吸
(
いき
)
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
女人を
誘拐
(
かどわか
)
す卑怯未練の賊僧はそれよ。容赦なく踏み込んで召捕れやつと大喝すれば、声を合せて配下の同心、雪を蹴立てゝ
勢
(
きお
)
ひかゝる。一方は
峨々
(
がが
)
たる絶壁半天に
懸
(
かか
)
れり。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「お滝とお前と
共謀
(
ぐる
)
になってお松を
誘拐
(
かどわか
)
して売ったに違いない」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
平次は、お静にいろいろのことを言い含めておいたはずですが、不思議なことに、
誘拐
(
かどわか
)
されたお静からは、何の合図もありません。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「街道からこれへ
誘拐
(
かどわか
)
して来た
女子
(
おなご
)
と
童
(
わらべ
)
を返せ。——もし無事に戻して詫びるならば免じておくが、怪我などさせてあったら承知せぬぞ」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女は
窃
(
こっそ
)
り訴え出た。「娘を
誘拐
(
かどわか
)
した同じ一座が、今度は息子を
誑
(
たぶら
)
かそうとします。どうぞお取締まり下さいますように」と。
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ええ、それで
必定
(
てっきり
)
誘拐
(
かどわか
)
されたという見込でな。僕が探偵の御用を帯びて、所々方々と捜している処だ。「
御道理
(
ごもっとも
)
。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
魔法の巾着は警察で焼いてしまいましたから、もう
誘拐
(
かどわか
)
されるものは無くなりました。
クチマネ
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
海若藍平
(著)
「おいおい、てめえは一人で、何か、夢を見ているんじゃねえか。何も俺が
誘拐
(
かどわか
)
したわけじゃあるめえし、嫌なら、いつでも帰るがいいぜ」
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「驚いてはいけないよ、お前は川越屋音次郎の娘ではない。今から十七年前、音次郎に
誘拐
(
かどわか
)
されて長崎へ行った、あの百松の娘のお染だよ」
銭形平次捕物控:084 お染の歎き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
行っておくんなせえ! ……云いたいことはたくさんあるんで……第一女が
誘拐
(
かどわか
)
されたんで……若い女が、綺麗な女が……誘拐した野郎は猪之松の乾兒と
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この支那人が美代子さんを
誘拐
(
かどわか
)
しているのじゃないのか知らんと思って、あたりを見まわしましたが、念のため横にある黒い箱にのぼって、その上にある小窓からガラス越しに中をのぞいて見ると
クチマネ
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
海若藍平
(著)
「待て待て、もう一つ言って聞かせる事がある。福屋善兵衛は五番目の倅を
誘拐
(
かどわか
)
されて、
歎
(
なげ
)
きの余り、今朝死んでしまったぞ」
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そこの辻堂の縁には新造身内のために、
誘拐
(
かどわか
)
されてきた女が、
縛
(
いまし
)
められた体を
雫
(
しずく
)
に打たれたまま
抛
(
ほう
)
り置かれているのであった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこは
上海
(
シャンハイ
)
でございました。その裏町でございました。一人の女が
誘拐
(
かどわか
)
され、密房の中へ閉じ籠められ、眠らされたのでございます。黒檀の寝台には狼の毛皮。
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
春夫さんはあの支那人が
誘拐
(
かどわか
)
したに違いないと思いました。
クチマネ
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
海若藍平
(著)
新妻を
攫
(
さら
)
わせるつもりの平次、祝言の席から
誘拐
(
かどわか
)
されるつもりのお静、二人の気持を薄々読んだ客——この祝言は、まことに不思議なものでした。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
游猟
(
ゆうりょう
)
が好きで弓を持って
獣
(
けもの
)
を追ったり、早熟で不良を集めて村娘を
誘拐
(
かどわか
)
したり、そんなことばかりやっていた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誘拐
(
かどわか
)
したのは、雌雄二匹の永生の蝶々の、ありかを云わせようためだったのか。……でも妾はありかは知らない。雌蝶の方はお父様が、昆虫館から放してしまった
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……多分あっしが二人の女を
誘拐
(
かどわか
)
したんだろうテンデ
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
新妻を
攫
(
さら
)
わせるつもりの平次、祝言の席から
誘拐
(
かどわか
)
されるつもりのお静、二人の気持を薄々読んだ客——この祝言は、まことに不思議なものでした。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
上尾街道で親の
敵
(
かたき
)
と逢った。討って取ろうとしたところ、博労や博徒に
誘拐
(
かどわか
)
された。そのあげくに馬飼の長の、人身御供に上げられようとした。と敵に助けられた。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いいえいの、まあ、聞いて
賜
(
た
)
も。そればかりではない。わしが
伜
(
せがれ
)
の
許嫁
(
いいなずけ
)
のお通、それをまあ手なずけたりしての、友だちの女房ともきまった
女子
(
おなご
)
をば
誘拐
(
かどわか
)
して……」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「五人の子供を一ぺんに
誘拐
(
かどわか
)
す工夫はありませんよ。
脅
(
おど
)
かしたって、
騙
(
だま
)
したって、人目につかないように、どこへもつれて行けないじゃありませんか」
銭形平次捕物控:140 五つの命
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
誘拐
(
かどわか
)
されたということを、告げるために走って行っていることに、一方留意をしなければならない。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「やあそれなる
浪人輩
(
ろうにんばら
)
、白昼良民の娘を
誘拐
(
かどわか
)
すとは不敵至極、渡さぬとあれば用捨はならぬぞ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誘拐
(
かどわか
)
された子供は、
悉
(
ごとごと
)
く暴力で連れて行かれた事の外に、日中も、夕方も、時刻かまわず人をさらっているくせに、場所だけは例外なしに、海か河か
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
はい、
妾
(
わたし
)
は京橋の者、悪漢共に
誘拐
(
かどわか
)
され、蘆の間に押し伏せられ手籠めに合おうとしましたのを
赤格子九郎右衛門の娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
落人
(
おちゅうど
)
の
追剥
(
おいはぎ
)
、あちゆる
戦場稼
(
いくさばかせ
)
ぎ、
火放
(
ひつ
)
け殺人
誘拐
(
かどわか
)
し——やらない悪事はないくらいだからなあ
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「弱い武家」で通っているだけに、二十五六の良い男ですが、
華奢
(
きゃしゃ
)
で柔和で、どう見ても人間を
誘拐
(
かどわか
)
したり、やくざ者を斬ったりする柄とは思われません。
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
俺
(
おい
)
らは石地蔵の六といい、仲間は
土鼠
(
もぐら
)
の源太といって、大した悪事もやらねえが、コソコソ泥棒、掻っ払い、
誘拐
(
かどわか
)
しぐらいはやろうってものさ、さてそこでお前さんだが
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「おお、良家の娘を
誘拐
(
かどわか
)
そうとする
理不尽
(
りふじん
)
な奴、それを、斬り捨てたが何と致した」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
誘拐
(
かどわか
)
されでもしたんじゃあるまいかという話だろう。——あの眼から鼻へ抜けるような悧巧者のお由良が、金紋先箱で迎いに来たって
騙
(
だま
)
されて行くものか」
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その杉さんはどうしたかというに、
誘拐
(
かどわか
)
された女の兄さんて奴が——そうそう主水とか云ったっけ、そいつが陣十郎とかいう悪侍に、オビキ出されて高萩村の方へ行った。
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「李司馬の甥が、天子を
御輦
(
みくるま
)
にのせて、どこかへ
誘拐
(
かどわか
)
して行きます」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
外
(
ほか
)
の奉公人や、近所の人にも当ってみましたが、お春が花火を取りに家へ入ったのは知っていますが、勇太郎の
誘拐
(
かどわか
)
された姿は誰も見た者はなかったのです。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
此奴
(
こやつ
)
! 女め! 不届き千万! ……萩丸様を
誘拐
(
かどわか
)
すとは! ……返せ返せ当方へ返せ!」
猫の蚤とり武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「こんな
面
(
つら
)
して、女を
誘拐
(
かどわか
)
すなどとは、もってのほかな奴だ」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“誘拐”の解説
誘拐(ゆうかい、英語: kidnapping)とは、他人を騙して誘い出して連れ去ること。「かどわかし」とも言う。
(出典:Wikipedia)
誘
常用漢字
中学
部首:⾔
14画
拐
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
“誘拐”で始まる語句
誘拐者
誘拐師
誘拐罪
誘拐事件