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裸身
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はだか
ふりがな文庫
“
裸身
(
はだか
)” の例文
きゃッ、と云うと、島が
真中
(
まんなか
)
から裂けたように、二人の
身体
(
からだ
)
は、浜へも返さず、
浪打際
(
なみうちぎわ
)
をただ
礫
(
つぶて
)
のように左右へ飛んで、
裸身
(
はだか
)
で逃げた。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
南国の孤島において、
醤
(
しょう
)
委員長は、あいかわらずの
裸身
(
はだか
)
で、事務を
執
(
と
)
っていた。例の太い
附
(
つ
)
け
髭
(
ひげ
)
はもう見えない。
毒瓦斯発明官:――金博士シリーズ・5――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
裸身
(
はだか
)
で——そうよ、心も体も綺麗な裸身でぶつかって来られたので、俺らにゃア手が出せなかった。
猿ヶ京片耳伝説
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
裸身
(
はだか
)
では居られないので、天然の美を被ふのに、その顔によく似合つた色の布を選らむのは当然なことで、すこしでも美しいのをといふ心持ちが、色彩に敏くなり、模やうや
きもの
(新字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
底冷えのする梅二月、宵といっても身を切られるような風が又左衛門の
裸身
(
はだか
)
を吹きますが、すっかり煙に
咽
(
む
)
せ入った又左衛門は、流しに
踞
(
うずくま
)
ったまま、大汗を掻いて
咳入
(
せきい
)
っております。
銭形平次捕物控:011 南蛮秘法箋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
彼は
砂糖黍
(
さとうきび
)
が
藪
(
やぶ
)
のように積み上った街角から露路へ折れた。ロシア人の
裸身
(
はだか
)
踊りの見世物が暗い建物の隙間で揺れていた。彼は死人の血色の記憶から逃れるために、切符を買うと部屋の隅へ
踞
(
うずくま
)
った。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
再び、
朱総
(
しゅぶさ
)
をしごきざま、
宙
(
ちゅう
)
鳴りして来る
江府
(
こうふ
)
一
番
(
ばん
)
壁辰の十手だ。喬之助は、この場合、血を好まなかった。が、こうなってはもう止むを得ない。
裸身
(
はだか
)
のまま
袂
(
たもと
)
に
潜
(
ひそ
)
ませていた
河内太郎蛇丸
(
かわちたろうじゃまる
)
の短剣だ。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
……
其
(
そ
)
の
下
(
した
)
の
水際
(
みづぎは
)
の
岩窟
(
いはむろ
)
の
湯
(
ゆ
)
に、
立
(
た
)
つたり、
坐
(
すわ
)
つたり、
手拭
(
てぬぐひ
)
を
綾
(
あや
)
にした
男女
(
だんぢよ
)
の
裸身
(
はだか
)
があらはれたかと
思
(
おも
)
ふと、
横
(
よこ
)
の
窓
(
まど
)
からは
馬
(
うま
)
がのほりと
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
す、
厩
(
うまや
)
であらう。
飯坂ゆき
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
裸身
(
はだか
)
では居られないので、天然の美を被ふのに、その顏によく似合つた色の布を選らむのは當然なことで、すこしでも美しいのをといふ心持ちが、色彩に敏くなり、模やうや
きもの
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「お前の綺麗な
裸身
(
はだか
)
を見せて、
色情狂
(
いろきちがい
)
の範覚を迷わせてやろうと、もくろんだのさ!」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……と見ると
艶々
(
つやつや
)
したその
櫛巻
(
くしまき
)
、古天井の薄暗さにも一点の
煤
(
すす
)
を
留
(
とど
)
めぬ色白さ。
惜
(
おし
)
い事に
裸身
(
はだか
)
ではないが、不断着で着膨れていながら、
頸脚
(
えりあし
)
が長くすらりとしていた。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あさましいぐらい、恥ずかしいぐらい、血書き写経の荒修行に、たずさわっている
妾
(
わたし
)
に比べ、何が何が、何あろう! ……それとも綺麗な
裸身
(
はだか
)
は小次郎以外に見せたくないと、そう思ってのその言葉か!」
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
婦同士
(
をんなどうし
)
も
見惚
(
みと
)
れたげで、
前
(
まへ
)
へ
𢌞
(
まは
)
り、
背後
(
うしろ
)
で
視
(
なが
)
め、
姿見
(
すがたみ
)
に
透
(
す
)
かして、
裸身
(
はだか
)
のまゝ、つけまはいて、
黒子
(
ほくろ
)
が
一
(
ひと
)
つ、
左
(
ひだり
)
の
乳
(
ちゝ
)
の、
白
(
しろ
)
いつけ
際
(
ぎは
)
に、ほつりとある
事
(
こと
)
まで、よう
知
(
し
)
つたと
云
(
い
)
ふ
話
(
はなし
)
。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“裸身”の意味
《名詞》
裸身(らしん)
裸。裸体。全裸。
(出典:Wiktionary)
裸
常用漢字
中学
部首:⾐
13画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“裸”で始まる語句
裸体
裸
裸足
裸體
裸形
裸蝋燭
裸馬
裸火
裸木
裸虫