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自得
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じとく
ふりがな文庫
“
自得
(
じとく
)” の例文
〔譯〕
心理
(
しんり
)
は是れ
豎
(
たて
)
の工夫なり、
愽覽
(
はくらん
)
は是れ
横
(
よこ
)
の工夫なり。
豎
(
たて
)
の工夫は、則ち
深入
(
しんにふ
)
自得
(
じとく
)
せよ。
横
(
よこ
)
の工夫は、則ち
淺易
(
せんい
)
汎濫
(
はんらん
)
なれ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
純然たる
亜細亜
(
アジア
)
洲の旧慣に従い、
居然
(
きょぜん
)
自得
(
じとく
)
して眼中また西洋なきが如くなるの一事なり。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ト
此
(
こ
)
の
鑿
(
のみ
)
を
持
(
も
)
ち、
鏨
(
たがね
)
を
持
(
も
)
つべき
腕
(
かひな
)
は、
一度
(
ひとたび
)
掌
(
てのひら
)
を
返
(
かへ
)
して、
多勢
(
たせい
)
を
圧
(
あつ
)
して
将棊倒
(
しやうぎだふ
)
しにもする、
大
(
おほい
)
なる
権威
(
けんゐ
)
の
備
(
そな
)
はるが
如
(
ごと
)
くに
思
(
おも
)
つて、
会心
(
くわいしん
)
自得
(
じとく
)
の
意
(
こゝろ
)
を、
高声
(
たかごゑ
)
に
漏
(
も
)
らして、
呵々
(
から/\
)
と
笑
(
わら
)
つた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
かく
)
の如き事を考ふれば、私の如く信仰といふこともなく、安心立命とは行かぬ流義の人間にても、多少世間の事に
苦
(
くるし
)
めらるることなくなり、
自得
(
じとく
)
するやうなる処も有之やう存候。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
もと鎌倉藤源次助真が
自得
(
じとく
)
したきりで伝わらなかったのを、加卜これを完成し、世の太刀は死に物なり甲伏は
活太刀
(
かったち
)
なりと説破して一代に打つところ僅かに百振りを出なかった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
晏子
(
あんし
)
、
齊
(
せい
)
の
相
(
しやう
)
と
爲
(
な
)
り、
出
(
い
)
づ。
其
(
その
)
(五六)
御
(
ぎよ
)
の
妻
(
つま
)
、
(五七)
門間
(
もんかん
)
より
其夫
(
そのをつと
)
を
窺
(
うかが
)
ふ。
其夫
(
そのをつと
)
、
相
(
しやう
)
の
御
(
ぎよ
)
と
爲
(
な
)
り、
(五八)
大蓋
(
たいがい
)
を
擁
(
よう
)
し、
(五九)
駟馬
(
しば
)
に
策
(
むちう
)
ち、
(六〇)
意氣揚揚
(
いきやうやう
)
として
甚
(
はなは
)
だ
自得
(
じとく
)
せり。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
然
(
さ
)
なくば
此處
(
こゝ
)
で
自害
(
じがい
)
すると
半狂亂
(
はんきゃうらん
)
の
面持
(
おもゝち
)
、
是非
(
ぜひ
)
なく、
自得
(
じとく
)
の
法
(
はふ
)
により、
眠劑
(
ねむりぐすり
)
を
授
(
さづ
)
けましたところ、
案
(
あん
)
の
如
(
ごと
)
くに
效力
(
きゝめ
)
ありて、
死
(
し
)
せるにひとしき
其
(
その
)
容態
(
ようだい
)
、
手前
(
てまへ
)
其間
(
そのあひだ
)
に
書状
(
しょじゃう
)
して、
藥力
(
やくりき
)
の
盡
(
つく
)
るは
今宵
(
こよひ
)
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
左門は長窪の子供たちに読書や習字を教えながら、請うものには
北辰夢想流
(
ほくしんむそうりゅう
)
の剣法も教えていたらしい。けれども「伝吉物語」「旅硯」「木の葉」等によれば、伝吉は剣法を
自得
(
じとく
)
したのである。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
みな、
自得
(
じとく
)
の
研鑽
(
けんさん
)
から
通力
(
つうりき
)
した
人間技
(
にんげんわざ
)
であることが
納得
(
なっとく
)
できた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
〔譯〕
學
(
がく
)
は
自得
(
じとく
)
を
貴
(
たふと
)
ぶ。人
徒
(
いたづら
)
に目を以て有字の書を讀む、故に字に
局
(
きよく
)
し、
通透
(
つうとう
)
することを得ず。
當
(
まさ
)
に心を以て無字の書を讀むべし、乃ち
洞
(
とう
)
して自得するところ有らん。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
人は
須
(
すべか
)
らく死を畏れざるの理を死を畏るゝの中に
自得
(
じとく
)
すべし、性に
復
(
かへ
)
るに
庶
(
ちか
)
し。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
“自得”の意味
《名詞》
自分の力で開悟、会得すること。
自分一人で満足して安心すること。
得意になりうぬぼれること。
自分でしたことで自身に報いを受けること。
(出典:Wiktionary)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
得
常用漢字
小5
部首:⼻
11画
“自得”で始まる語句
自得発明弁