“じとく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
自得56.3%
自涜43.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
のみち、たがねつべきかひなは、一度ひとたびてのひらかへして、多勢たせいあつして将棊倒しやうぎだふしにもする、おほいなる権威けんゐそなはるがごとくにおもつて、会心くわいしん自得じとくこゝろを、高声たかごゑらして、呵々から/\わらつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かくの如き事を考ふれば、私の如く信仰といふこともなく、安心立命とは行かぬ流義の人間にても、多少世間の事にくるしめらるることなくなり、自得じとくするやうなる処も有之やう存候。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
多くの才と知力とが、多くの精練された官能が、一種の恥ずべき自涜じとく行為のうちに消費されていた。彼らはそのことに少しも気づかなかった。彼らは笑っていた。
樵夫当日その内に読み込まるるを怕れて山に入らず、また甚だ男子が樹陰に自涜じとくするを好むと。