まな)” の例文
十数年の長いあいだ、陶器すえものの技術をまなぼうため、みん景徳鎮けいとくちんに渡り、かの地にとどまるうち、異国の一女を妻として子まで生ました。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それからまた、横浜から箏を持ってまなびにゆくというひとにもわたしには心あたりがあるので、思わず破顔したのだった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
あいちやんは學校がくかう課業くわげふういふふう種々いろ/\ことまなびました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
だが、阿弥仲間の強い生き方を一年ほど見て「——人間、何をしても生きようとすれば、生きられる」自信だけはまなびえていた。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうか。忠三郎もいつのまにか、この筑前の手ごころをまなびおるの。——戦わずして勝つ。いくさは、そうなくてはならん」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お眼を怒らせて、愚鈍な奴かな、そんな性根で、なんで一道をまなびえようぞ、それでもれは、人なみの子か。もう破門じゃ。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このさいの彼は、桶狭間おけはざまの織田信長に似ている。いや信長は後代の人だから、故智こちまなんだものではない。義貞の天分だった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(筑前は、何事にも、信長の手口を真似、信長の行き方を、師としてまなんで、やがてその相続者となろうとしている)——と。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただ、この一命の、いとしさに、人間いかに生くべきやを、自然にまなび、自然を友に、天命のまにまに生を楽しもうと思うのみの出家である。
「……よし、よし。もう読めて来たな。どうじゃお燕、わかり出して来ると、書物をまなぶということは、おもしろかろうが」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思い違いしている。つくづく今度はそれが分った。同時に俺自身も悟った。おれはあの善友にまなんで、遅れせだがこれから志を立てる所存だ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それは、まなぶべからざる質の者に、わが剣法を習ばせたことじゃ。あに、善鬼の罪とのみいえようや。——善鬼よ、ゆるせ
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よろしいか、一清、おまえはやっと世の火宅をのがれ、そして母と共に、人生の長養長寿をここでまなんでおる者だぞ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
甲賀でも、滝川姓の族は、みな由緒ゆいしょある家すじだった。一益もその血系の子であった。鍛武のまなびはもとよりのこと、若年ずいぶん辛酸しんさんもなめたらしい。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『兄は、上田の御城下に住む、河村寿隆かわむらかずたかの門にまなび——私はその兄から、十三四歳の頃より、つちの打ち方、重ねかねの仕方、土取り、火入れまで教わりました』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平常、軍学に傾倒しているこの派の人々は、いわゆる剣というものを、あれは歩卒のまなぶもので、将たる者の励むことではないように思っている者が多かった。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初歩の譜から、小學生のごとく、素直に、謙虚にまなんでゆくうちに、妙を會得するのではないでせうか。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
……そして、雅楽ががくとしての琵琶をおまなびですか、平家などの語り物を御会得ごえとくなさりたいおつもりですか
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
教える彼も、まなぶ彼女も、うつつなほど、愛情に結ばれながら、わざと、ほのぐらい短檠たんけいを用い、机に、相対して、こよいも、更ける夜長を、忘れはてているのである。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵の画が、友松にまなんだ所があるとみえたり、等伯にならうかに見えるのも、要するに、時代の相似ではあるまいか。直接、師についたという確証は、史証的には、何もない。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信長の長所にまなぶところあったにしても、それすら彼というべつなうつわに入って新たな経綸として現われてくるものは、まったく信長的な戦法や施政とはそのおもむきを一変していた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幼少、播州の法華寺にまなび、中頃は賀西かさいの北条寺や書写山しょしゃざんにも数年すねんいて、修行を積んだ。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「覚一が申すには。……これ御覧あれば、このように覚一は、琵琶のまなびに励んでいるということが、ふみで書くより、万言で申すより、母御によくお分り下さろうとのことでした」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「てまえの師は、越前の人、川崎鑰之助かわさきかぎのすけと申し、上州白雲山にこもって、一機軸を開いたと、伝書にはあるなれど、実は天台僧の東軍坊なる人から、技をまなんだものらしゅうござる」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大明の景徳鎮けいとくちんにいて、支那の陶磁の製法をまなんでいた人に下僕しもべとして仕えていたというこの家のあるじの見聞談はまた、どんなに尾張あたりの田舎しか知らない奉公人たちにとっては
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じょうまなび出してからもう十年。それでもなお、年下のあなたに負けるような伜であったら、武道に思いを断つがよい。——その武道に望みを断っては、生きるかいもないといいやる。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
でも、覚一が都に出てまなんでいた間には、お師の禅師さまにも、よう叱られました。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして身を警戒することを、頼朝は、何里か黙って歩いている間に、自然まなんだ。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
故郷の人々からもいわれた通り、ここに遊学したいを見せて、都の文化にまなび、よい人物になって、ひとかどの男振りを、いつの日かには、故郷下総の豊田郷にかざって帰りたい。——
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その烏丸家へ、元成が、公卿小姓に入ったのは、地方武士の子が“しつけまなび”と称して、家督をつぐまで、都の権門に住みこむ当時の風習に従ったものだが、彼は格別、成輔に愛されて
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
不肖ふしょう、忠兵衛が、いささか、六十余年の乱国のあいだにまなび得た体験のもとに、このたびの羽柴秀吉が起した四国攻略の配備を見まするに、げにも、驚くべき船数と、兵力と、物資とをもって
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あいにく、寺小屋ぐらいの読み書きは、婆惜ばしゃくまなんでいましたからね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とくにゴルフというものをまなんでから雑言を吐く傾向がつよくなった。
随筆 私本太平記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、彼は、関ヶ原でまなんだ。歩卒の組にじって槍一本を、あの大軍の中でどう振り廻したって、結局、それが何ものも動かしていないし、大いなる奉公にもなっていないということをである。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せがれには、世人を救う仕事をさせたいと考えて、医学をまなばせ、自分が多年のあいだの蓄積と、諸家から礼に贈られた金とをあわせて、貧者や、出牢しても寄るべのない病人などを救う施療所せりょうじょを建て
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「習いたいというが、そちはもう誰かにまなんでおるだろう」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先にまなんで来い——と申すような風の父でありますゆえ
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「失礼じゃが、あんたは、武道を誰にまなびなされた」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
誰にまなんだか、寧子ねねも、その茶をひととおりはやる。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高氏は彼とのはなしで多くのものをまなびとった。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
“菊池氏の人格は愛すべくしてまなぶべからず”
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
梁楷の画風を慕ってそれをまなんだ、とか。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よく、まなんで来いよ」
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)