突進とっしん)” の例文
うわあ、子供たちは、モミの木めがけて突進とっしんしてくるではありませんか。さあ、たいへん。どの枝もどの枝も、みしみしなります。
けれども、ズルスケはそれより早く、矢のように突進とっしんして、一のガンのはねをくわえるが早いか、ふたたびきしのほうへかけもどりました。
たちまちくろけむりのなかからばしらががり、万山ばんざん鳴動めいどうしました。これよりはやく、秀作しゅうさくさんの部隊ぶたいは、敵陣地てきじんちがけて突進とっしんしていたのです。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
猛然もうぜん突進とっしんしていったはずの機関車が、急に速力もおとろえ、やがて反対にジリジリと後へ下ってくるのでありました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
みこはちょうどそのとき急に降り出したひょうの中を、まっ先に突進とっしんして、門前へしよせていらっしゃいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
立っているなら突進とっしんできるが、しゃがまれたのでは、どうしても、腰をかがめなければ打てない。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
一同はフハンのあとについていった、フハンは、ちくちくとおいしげる木立のなかに突進とっしんしたが、なにを思うたか、一本のぶなの木の下に立ちどまって、高く声をあげた。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
すばやくへいえて突進とっしんする
これがすみますと、たちまち若いキツネたちは、にくるったようにほえたてて、ズルスケめがけて突進とっしんしました。こうなっては、げるよりほかありません。
我先われさき獲物えものにありつこうとかけるはとにかって突進とっしんしました。ははばとは、たくみに方向ほうこうえて、子供こどもたちのいるから、てき遠方えんぽう遠方えんぽうへとさそったのであります。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは七月革命のときのこと、あの世にもかがやかしい勝利の日の夕暮だったのです。一軒いっけん一軒の家が城砦じょうさいとなり、一つ一つの窓が堡塁ほうるいとなっていました。民衆はチュイルリー宮へ向って突進とっしんしました。
モンクスは猛然もうぜん突進とっしんしてきた。
柔道と拳闘の転がり試合 (新字新仮名) / 富田常雄(著)
この勇士につづいて、灰色ネズミ軍はあとからあとから突進とっしんしました。みんなはじっと息をころして、黒ネズミ軍の伏兵ふくへいがあらわれてくるのを、待ちうけていました。
きみが、はなかんがえていたときに、ぼくは、またありのごとくかばねえて、突進とっしんする自分じぶん姿すがた空想くうそうしていたのだな。それで、きみさきんだら、おれは骨壺こつつぼっていってやるぞ。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
西山にしやまは、先頭せんとうって、草原そうげんほう突進とっしんしました。
白い雲 (新字新仮名) / 小川未明(著)
燈台とうだいのガラスまどがけて突進とっしんしていました。
小さな金色の翼 (新字新仮名) / 小川未明(著)