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空
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あき
ふりがな文庫
“
空
(
あき
)” の例文
私は阪本さんのために珍しく笑はせられながら、床の間の
玩具棚
(
おもちやだな
)
を
灯
(
ひ
)
の光で見ようとして
行
(
ゆ
)
くのです。下の棚はがら
空
(
あき
)
になつて居るのです。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
おれは
秩父
(
ちちぶ
)
へ出て行ったのさ。少し、たずねている者があってな。——そのあとで、おまえは多分、あの
空
(
あき
)
屋敷へ礼に出かけたろうと思う。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜更けの町を停車場に向って走っていると、都合よく
空
(
あき
)
タクシーが通りかかったので、東京
麹町
(
こうじまち
)
までの値を極めて飛乗った。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし、それでも嬉しかったから
尻尾
(
しっぽ
)
を振り振り、浮き足でクッ付いて行くと、廊下を一曲りした処の
空
(
あき
)
部屋に僕を連れ込んで、熱い渋茶を一パイ御馳走した。
焦点を合せる
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その
空
(
あき
)
屋敷
(
やしき
)
の前を通りかかった者でもなければ、もう噂をいう人もないという時分になってしまいました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
芳桂院様は四月の末におなくなり遊ばして、目黒の方はしばらく
空
(
あき
)
屋敷になって居りましたが、その八月の末頃から奥様が一時お引移りということになりました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「水戸様の石置き場の
空
(
あき
)
屋敷へ、今夜も兄上にはまいられましたようで。私には不安でなりませぬ」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
天下を狙いたいにも天下の
空
(
あき
)
はないし、
戦争
(
いくさ
)
をしたくも戦争は起らず、せめて女にでもぞっこん打ち込む事が出来ればまだいいが、
生憎
(
あいにく
)
と
粋
(
すい
)
も甘いも分りすぎているし——そうして
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
煙管
(
きせる
)
の吸口ででも結構に樽へ穴を開ける
徒
(
てあい
)
が、大びらに呑口切って、お前様、お船頭、弁当箱の
空
(
あき
)
はなしか、といびつ
形
(
なり
)
の
切溜
(
きりだめ
)
を、大海でざぶりとゆすいで、その皮づつみに、せせり残しの
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
向側は一町ほども引続いた
練塀
(
ねりべい
)
に、目かくしの
椎
(
しい
)
の老木が繁茂した富豪の
空
(
あき
)
屋敷。
此方
(
こなた
)
はいろいろな小売店のつづいた中に兼太郎が知ってから
後
(
のち
)
自動車屋が二軒も出来た。
銭湯
(
せんとう
)
もこの間にある。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
巴里
(
パリー
)
風の洒落た服装と、
竜涎香
(
アンバア
)
のにおいとを私の車室へ運び入れて、それから私も、彼とだけずっと
饒舌
(
しゃべ
)
りこんで来た、若いルセアニアの商人が、私を、自分の前の
空
(
あき
)
椅子へ招待するのに任せた。
踊る地平線:10 長靴の春
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
此上
(
このうえ
)
寂しい
空
(
あき
)
屋敷にいるより、思い切って、北海道の奥の
年老
(
としと
)
ったお
祖母様
(
ばあさま
)
の許へ行こう、麗子は悲しくも
斯
(
こ
)
う決心して、そっと
邸
(
やしき
)
を抜け出し、上野停車場へ行こうとして居るところだったのです。
向日葵の眼
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と——
空
(
あき
)
屋敷の中でポッと一つの
灯
(
ひ
)
がともりました。そして、さっきは閉まっていた
盲目窓
(
めくらまど
)
が半分ばかり
開
(
あ
)
いている。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
地下室は、おおぜいの少年がいるのに、まるで、
空
(
あき
)
部屋のように、シーンとしずまりかえっていました。
探偵少年
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
牡蠣
(
かき
)
船だの、支那料理屋の二階だの、海岸の
空
(
あき
)
別荘だの、煙草屋の裏座敷だの……その
中
(
うち
)
でも特に舌を捲いたのは、まだ明るいうちに或る大きな私立病院の玄関から
鉄鎚
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
近所で訊くと、そこには細井という旗本が住んでいたが、なにかの都合で雑司ヶ谷の方へ屋敷換えをして、この夏から
空
(
あき
)
屋敷になっていることが判った。もう疑うまでもない。
半七捕物帳:41 一つ目小僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「私には兄上のご行動が、
奔放
(
ほんぽう
)
に過ぎるように存ぜられます。不安で不安でなりませぬ。少しご注意くださいますよう。少なくも石置き場の
空
(
あき
)
屋敷などへは、あまりお行きになりませぬよう、願わしいものに存じます」
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
濶葉樹
(
かつようじゅ
)
の大木が道の
空
(
あき
)
まで茂り合っている辻の曲り角までその一騎が来かかった時、つと木陰から往来へ躍り出て
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
空
(
あき
)
屋敷の庭へでも這い込んだろうということになって、見物人は次第に散ってしまったのですが、なにしろ、それが蛇と小娘と切髪と、不思議な三題
噺
(
ばなし
)
が出来あがっているので
半七捕物帳:34 雷獣と蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一日に数分間(というのはちと
大袈裟
(
おおげさ
)
ですが)まあほんの
瞬
(
またた
)
くひましか日がささぬので、自然借り手がつかず、
殊
(
こと
)
に一番不便な五階などは、いつも
空
(
あき
)
部屋になっていましたので、僕は
暇
(
ひま
)
なときには
目羅博士の不思議な犯罪
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「そこはやはり武蔵野でございます。
拝島
(
はいじま
)
の岡と申しましてね、誰がもと住んでいたのか、今じゃ
狐狸
(
こり
)
の巣みたいになっている
空
(
あき
)
屋敷がございますんで」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前にも申す通り、六月末の夕方、その仲町通りの
空
(
あき
)
屋敷の塀外に人立ちがした。
半七捕物帳:34 雷獣と蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それは電車通りで、
空
(
あき
)
自動車が右往左往していた。奴さんきっとタクシーを呼止めるぞ。と見ていると、案の定、一台の車が彼の前に止った。おくれてはならぬと、明智もあとから来た車を呼止める。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
砦はがら
空
(
あき
)
になった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“空”の解説
空(そら、霄、en: sky)とは、地上から見上げたときに頭上に広がる空間のこと。天。
(出典:Wikipedia)
空
常用漢字
小1
部首:⽳
8画
“空”を含む語句
空腹
空洞
空虚
空想
空手
虚空
空間
蒼空
空嘯
空々
青空
空中
碧空
大空
空地
中空
空気
空車
空隙
空室
...