猶豫ゆうよ)” の例文
新字:猶予
おいらはらぬとつたけれどいてつてつてれた、べてはるいかへと流石さすがはゝこゝろはかりかね、かほをのぞいて猶豫ゆうよするに、あゝとしがゆかぬとてなんたらわけわからぬ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし奥の間の近くには誰も詰めていなかったと見えて、そのとき漸く離れた部屋にいた武士共が物音に驚いて駈け付けたのである。法師丸は、今は一刻も猶豫ゆうよのならない場合だった。
ロレ あゝ、これ、ヂュリエットや、悲歎かなしみってをる! なんぼうしぼってもわし智慧ちゑにはあたはぬ。つぎ木曜もくえうには、寸分すんぶん猶豫ゆうよもなう、わか婚禮こんれいやらねばならぬといた。
今日となツては、父子爵は最早もはや猶豫ゆうよして居られぬと謂ツて、猛烈もうれついきほひで最後の決心けつしんうながしてゐる。で是等の事情がごツちやになツて、彼の頭にひツかゝり、からまツてはげしい腦神經衰弱なうしんけいすゐじやく惹起ひきおこした。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
わたくし猶豫ゆうよもなく、かたちかひてると、大佐たいさはツトおこしてわたくしにぎ
一寸いつすん猶豫ゆうよもならぬとそれは/\にもかゝれぬだんじやうおまへにも料簡れうけんあることゝやうやうに言延いひのべてかへりますまでたのんではいたれどマアどうしたらからうか思案しあんしててくだされと小聲こごゑながらもおろ/\なみだあんじなされますなうにかなります今夜こんや大分だいぶけましたから明日あした早々さう/\出向でむきまして談合はなしあひを
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)