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ものさし
ふりがな文庫
“
物指
(
ものさし
)” の例文
「
斯
(
か
)
うでしやう」と
云
(
い
)
つた
限
(
ぎり
)
、
物指
(
ものさし
)
の
先
(
さき
)
を、
字
(
じ
)
の
留
(
とま
)
つた
所
(
ところ
)
へ
置
(
お
)
いたなり、
澄
(
す
)
み
渡
(
わた
)
つた
空
(
そら
)
を
一
(
ひと
)
しきり
眺
(
なが
)
め
入
(
い
)
つた。
宗助
(
そうすけ
)
は
細君
(
さいくん
)
の
顏
(
かほ
)
も
見
(
み
)
ずに
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ノルムはその
語原
(
ごげん
)
を調べると
大工
(
だいく
)
の使用する
物指
(
ものさし
)
すなわち
定規
(
じょうぎ
)
である。この定規に
適
(
かな
)
ったものがノルム
的
(
てき
)
すなわち英語にいうノーマル(normal)である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
美か醜かで判じるような
物指
(
ものさし
)
に、どれだけの力があろう。そんなもので計り得るものを、ゆめ美しいと呼んではならない。真の美しさとは「
畢竟浄
(
ひっきょうじょう
)
」なのである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
お前が外部的に教え込まれている理想の
物指
(
ものさし
)
にあてはめて見ると、私はいかにも物足らない存在として映るだろう。私はキャリバンではない代りにエーリヤルでもない。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
つまりそれは仮りに定めた「
物指
(
ものさし
)
」というものとの相対的な心覚えにしか過ぎません、僕たちは、宇宙というものを宏大無辺ということと同義語のように使って怪しみませんが
宇宙爆撃
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
▼ もっと見る
「で、ございますかな。」とようよう
膝去
(
いざ
)
り出して、遠くから、背を円くして伸上って、腕を出して、
巻莨
(
まきたばこ
)
に火を
点
(
つ
)
けたが、お蔦が
物指
(
ものさし
)
を当てた
襦袢
(
じゅばん
)
の袖が見えたので、気にして、慌てて、引込める。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
物指
(
ものさし
)
を頬にあてて考へてる。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
物指
(
ものさし
)
で
脊
(
せな
)
かくことも
日短
(
ひみじか
)
五百句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
細君は立て切った障子を半分ばかり開けて、敷居の外へ長い
物指
(
ものさし
)
を出して、その先で近の字を縁側へ書いて見せて
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
家
(
うち
)
へ帰ると細君は奥の六畳に
手枕
(
てまくら
)
をしたなり
寐
(
ね
)
ていた。健三はその
傍
(
そば
)
に散らばっている赤い
片端
(
きれはし
)
だの
物指
(
ものさし
)
だの針箱だのを見て、またかという顔をした。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
細君
(
さいくん
)
は
立
(
た
)
て
切
(
き
)
つた
障子
(
しやうじ
)
を
半分
(
はんぶん
)
ばかり
開
(
あ
)
けて、
敷居
(
しきゐ
)
の
外
(
そと
)
へ
長
(
なが
)
い
物指
(
ものさし
)
を
出
(
だ
)
して、
其先
(
そのさき
)
で
近
(
きん
)
の
字
(
じ
)
を
縁側
(
えんがは
)
へ
書
(
か
)
いて
見
(
み
)
せて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あたかも
物指
(
ものさし
)
で反物の寸法さえ計れば、
縞柄
(
しまがら
)
だの地質だのは、まるで問題にならないといった風に。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
腹這
(
はらばい
)
は
弥生
(
やよい
)
の姿、寝ながらにして天下の春を領す。
物指
(
ものさし
)
の先でしきりに敷居を
敲
(
たた
)
いている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
次には平たくして紙の上へ横に置くと
定規
(
じょうぎ
)
の用をする。また
刃
(
は
)
の裏には
度盛
(
どもり
)
がしてあるから
物指
(
ものさし
)
の代用も出来る。こちらの表にはヤスリが付いているこれで爪を
磨
(
す
)
りまさあ。ようがすか。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女は津田が病院へ入る時、彼に
入用
(
いりよう
)
の手荷物を
纏
(
まと
)
めるため、
二三日前
(
にさんちまえ
)
すでにそこを
捜
(
さが
)
したのである。彼女は残された封筒だの、
物指
(
ものさし
)
だの、会費の受取だのを見て、それをまた一々
鄭寧
(
ていねい
)
に
揃
(
そろ
)
えた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
細君は右の手で
物指
(
ものさし
)
を持ったまま夫の顔を下から見上げた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
現にせんだってなどは
物指
(
ものさし
)
で尻ぺたをひどく
叩
(
たた
)
かれた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
指
常用漢字
小3
部首:⼿
9画
“物”で始まる語句
物
物凄
物語
物憂
物識
物怪
物騒
物置
物音
物思