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煩
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わずらわ
ふりがな文庫
“
煩
(
わずらわ
)” の例文
是
(
ここ
)
においてわたくしは、外崎さんの捜索を
煩
(
わずらわ
)
すまでもなく、保さんの今の
牛込
(
うしごめ
)
船河原町
(
ふながわらちょう
)
の住所を知って、
直
(
すぐ
)
にそれを外崎さんに告げた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一々その聯想を書く事は
煩
(
わずらわ
)
しいので、そこにはこれを省き、別に一章としてその当時の回想を書き止めて見ようと思い立ったのである。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
運命の人よ! 八十年生きるも百年生くるも、人の世はすべてこれ夢! 地上すべての
煩
(
わずらわ
)
しさを断って、
悠々
(
ゆうゆう
)
と安らかなる眠りを眠られよ!
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
わたくしは生涯独身でくらそうと決心したのでもなく、そうかといって、人を
煩
(
わずらわ
)
してまで配偶者を探す気にもならなかった。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
蜻蛉
(
とんぼ
)
釣りに蜻蛉の
行衛
(
ゆくえ
)
をもとめたり、
紙鳶
(
たこ
)
上げに紙鳶のありかを探したりする
煩
(
わずらわ
)
しさに兄は耐えられなくなってしまった。
青草
(新字新仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
▼ もっと見る
「家というものはどうしてこう
煩
(
わずらわ
)
しいもんでしょう。僕のところなぞは、もうすこしウマく行きそうなものだがナア……」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「御友人の斎藤氏は愈々有罪と決した。それについて御話したいこともあるから、私の私宅まで御足労を
煩
(
わずらわ
)
し度い」
心理試験
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それに
就
(
つ
)
き、御隠居さまの、御配慮を
煩
(
わずらわ
)
したく、深夜ながら、お袖に
縋
(
すが
)
るため、まかり
出
(
い
)
でました次第でござります
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
石之姫
(
いわのひめ
)
が
筒木宮
(
つつきのみや
)
に
怒
(
おこ
)
って
籠
(
こも
)
られ、
帝
(
みかど
)
をして手を合さんばかりに
詫言
(
わびごと
)
を申さしめ給いし例などは随分
烈
(
はげ
)
しい事ですが、それが
仁徳
(
にんとく
)
帝の御徳を
煩
(
わずらわ
)
しているでもなく
離婚について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
本来ならば「
丸木花作
(
まるきはなさく
)
事
(
こと
)
本名
(
ほんみょう
)
張学霖
(
ちょうがくりん
)
は……」といった風に書くのが本当なのであるが、それを一々書くのが、
煩
(
わずらわ
)
しい程、××人が出てくることであるから、一つ
思切
(
おもいき
)
って
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
中にはまた、あの鼻だから
出家
(
しゅっけ
)
したのだろうと批評する者さえあった。しかし内供は、自分が僧であるために、幾分でもこの鼻に
煩
(
わずらわ
)
される事が少くなったと思っていない。
鼻
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然
(
しか
)
れども先生は
従来
(
じゅうらい
)
他人の書に
序
(
じょ
)
を
賜
(
たま
)
いたること更になし、今
強
(
しい
)
てこれを先生に
煩
(
わずらわ
)
さんこと
然
(
しか
)
るべからずと
拒
(
こば
)
んで許さざりしに、
児
(
じ
)
竊
(
ひそ
)
かにこれを
携
(
たずさ
)
え先生の
許
(
もと
)
に至り
懇願
(
こんがん
)
せしかば
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
その結果は、自分の作品に対して如何にしても他人や書生や弟子や妻君の手を
煩
(
わずらわ
)
す事が出来難いのである。一本の線、一つの筆触が近代絵画の生命となってしまっているのであるが故に。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
無駄を避け
簡勁
(
かんけい
)
を旨とする鴎外の文章に
煩
(
わずらわ
)
しい修辞を容れるはずもない。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
煩
(
わずらわ
)
されるのではあるまいか。
歴史の矛盾性
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
京橋と
雷門
(
かみなりもん
)
との乗替も、習慣になると意識よりも
身体
(
からだ
)
の方が先に動いてくれるので、さほど
煩
(
わずらわ
)
しいとも思わないようになる。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だが、無駄だから
止
(
よ
)
すがいい。仮令お前に私の脅迫を主人に打開ける勇気があり、その結果警察の手を
煩
(
わずらわ
)
したところで、私の所在は分りっこはないのだ。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
濹東綺譚は若し帚葉翁が世に在るの日であったなら、わたくしは稿を脱するや否や、直に走って、翁を
千駄木町
(
せんだぎまち
)
の
寓居
(
ぐうきょ
)
に
訪
(
おとな
)
い其閲読を
煩
(
わずらわ
)
さねばならぬものであった。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それについては実に長々しい物語があるのだし、又
仮令
(
たとえ
)
その
煩
(
わずらわ
)
しさを我慢して話をして見た所で、私の話のし方が下手なせいもあろうけれど、
聞手
(
ききて
)
は私の話を容易に信じてはくれない。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
然るに一たび古下駄に古ズボンをはいて此の場末に来れば、いかなる
雑沓
(
ざっとう
)
の
夜
(
よ
)
でも、銀座の裏通りを行くよりも危険のおそれがなく、あちこちと道を譲る
煩
(
わずらわ
)
しさもまた少いのである。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
都下の樹木にして以上の
外
(
ほか
)
なお有名なるは青山練兵場内のナンジャモンジャの木、
本郷西片町
(
ほんごうにしかたまち
)
阿部伯爵家の
椎
(
しい
)
、同区
弓町
(
ゆみちょう
)
の
大樟
(
おおくすのき
)
、
芝三田
(
しばみた
)
蜂須賀
(
はちすか
)
侯爵邸の椎なぞがある。
煩
(
わずらわ
)
しければ一々述べず。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“煩”の意味
《名詞》
(ハン)わずらわしさ。
(出典:Wiktionary)
煩
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
“煩”を含む語句
煩悶
煩悩
可煩
煩累
煩瑣
長煩
御煩
子煩悩
煩悩即菩提
恋煩
大煩
煩聒
心煩
思煩
気煩
煩悩熾盛
煩雑
煩惱
煩労
煩悩児
...