-
トップ
>
-
泣聲
>
-
なきごゑ
こゝへ
立つたお
救小屋へ、やみの
夜は、わあツと
言ふ
泣聲、たすけて——と
言ふ
悲鳴が、
地の
底からきこえて、
幽靈が
顯はれる。
さうして
半ば
豫期してゐる
赤兒の
泣聲が
聞えないと、
却つて
何かの
變でも
起つたらしく
感じて、
急いで
宅へ
飛び
込んで、
自分と
自分の
粗忽を
耻づる
事があつた。
配分して
侠客づくで
呑込で居て
遣たのに金を何で
貴殿が
貢だなどとは
不埓云樣だと
泣聲を出して云ひ
募るを
其
袂を
捉へて『
餘りじやアありませんか、
何卒返却して
戴きたいもんです』と
泣聲になつて
訴へた。
『
畜生!
行け! さツさと
行け!』と
彼は
玄關迄駈出して、
泣聲を
上げて
怒鳴る。『
畜生!』
か包み申さん只今惣内が申上しに相違御座なく
渠が藥を
調へに參りし跡にて女の
泣聲致すにより里が
勾引され候事
哉と存じ惡者と
戰ひ居候中惣内
立戻り來兩人にて其者を
奧では
頻に
嬰兒の
泣聲がした。
落し忽ち
産後の
血上り是も其夜の
明方に
相果ければ
跡に
殘しお三婆は
兩人の
死骸に取付天を
仰ぎ地に
俯し
泣悲しむより外なきは見るも
哀れの次第なり
近邊の者ども
婆が
泣聲を