日常にちじやう)” の例文
宗助そうすけこはくなつて、きふ日常にちじやうわれおこして、へやなかながめた。へやかすかな薄暗うすぐららされてゐた。はひなかてた線香せんかうは、まだ半分はんぶんほどしかえてゐなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
年齡ねんれいも十六七以上いじやう、一とほ學問がくもんをして學問がくもん家政かせいなり、なになり日常にちじやう處世しよせいうへ應用おうようがしてけるはづでありますが、實際じつさいつきますると種々しゆ/″\遺憾ゐかんてんがあるやうです。
女教邇言 (旧字旧仮名) / 津田梅子(著)
したがつてそれだけ丁度ちやうど日本にほん流通りうつうして通貨つうくわるのである。かねるとふことになると金利きんりあがり、さうして國民こくみん日常にちじやう所有しよいうして通貨つうくわるのであるから購賣力こうばいりよくる。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
大佐たいさ少年せうねん其他そのほか三十有餘名いうよめい水兵等すいへいら趣味しゆみある日常にちじやう生活せいくわつのさま/″\、あしたにはほしいたゞいてき、ゆふべにはつきんでかへる、その職務しよくむ餘暇よかには、むつまじき茶話會ちやわくわい面白おもしろ端艇競漕たんていきようそう
彼等かれらは、日常にちじやう必要品ひつえうひん供給きようきふする以上いじやう意味いみおいて、社會しやくわい存在そんざいほとんどみとめてゐなかつた。彼等かれらつて絶對ぜつたい必要ひつえうなものは御互おたがひだけで、その御互おたがひだけが、彼等かれらにはまた充分じゆうぶんであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
彼等かれら自分達じぶんたち日常にちじやう變化へんくわのないこと折々をり/\自覺じかくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)