また)” の例文
また夫々それ/″\へ奉公すべし兩刀りやうたうたいする者は皆々天子てんしの家來なるぞ必ず忠臣二君に仕へずとの言葉ことばを用ゆるな浪人らうにんを致して居て越前の行末ゆくすゑかと後指うしろゆび
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「むずかしい病気なのかね。もうおっさんが帰っておいでになるだろうから、またせて置けばいじゃないか」
カズイスチカ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
またっせえ、あいにくたすきがねえ、わしがこの一張羅の三尺じゃあ間に合うめえ! と、かろう、合したものの上へめるんだ、濡れていても構うめえ、どッこいしょ。」
葛飾砂子 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
生田なる者に対する逮捕状をしたゝめて差出すや目科は受取るより早く、余と共に狂気の如く裁判所を走り出、またせある馬車に乗り、ロイドレ街を指して馬の足の続く限りはしらせたり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
けれども十分とは自分をまたさなかった、彼のたちあがるや病人のごとく、何となく力なげであったが、ったと思うとそのままくるりと後向うしろむきになって、砂山のがけに面と向き、右の手で其ふもとを掘りはじめた。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
熊捕くまとり場数ばかずふみたる剛勇がうゆうの者は一れん猟師れふしを熊のる穴の前にまた
おそしとまたれける頃は享保きやうほ十一丙午年ひのえうまどし四月十一日天一坊は供揃ともぞろひして御城代の屋敷やしきおもむく其行列そのぎやうれつには先に白木しらき長持ながもちさを萌黄純子もえぎどんす葵御紋付あふひごもんつき油箪ゆたん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まあ、またつせえよ、わしいま
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
きはめ其夜兩國橋へ行きすでに身をなげんとたりしとき小提灯こちやうちんを持ちたる男馳寄かけよつてヤレまたれよと吉之助をいだとゞめるに否々いな/\是非死なねばならぬ事あり此所ここはなしてと云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)