待伏まちぶせ)” の例文
してしばらく拷問は御用捨にあづかりたし實は私し昌次郎にうらみあるにより彼等が歸り道に待伏まちぶせし猿島河原にて二人の者を切殺し首を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「じゃあその伯母さんがお案じだろうから、私が送って行ってあげましょう、ね。鳥居前ッて言うのはどこ? 待伏まちぶせをしてると不可いけないから。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
相變らずぴかり、ぴかりからだを光らしてゐる。それからまたふうわ、ふうわ飛んで來るのをくらな中に待伏まちぶせしてゐて笹の葉か何んかで叩き落す。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
それも其の筈道が違いますので、駕籠は五六間先へおろすや否や、待伏まちぶせして居りました一人いちにんの盗賊が後棒あとぼうかつぎまして
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
身を逆さにして草木の葉がくれに待伏まちぶせし、うっかり飛んで来る蝉の胸先にみついてばた/\苦しがらせたり、小さな青蛙ののどに爪うちかけてひい/\云わしたり
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
からくも改札口まで押し出されて行った私は、切符に鋏を入れて貰らって、プラットフォームへ漕ぎ着けるや否や、再び其処に呪われた運命が待伏まちぶせして居たのを発見した。
恐怖 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
うまれてはじめてのたひたび! 從者じうしやもつれずただひとりはじめの七なにかと物珍ものめづらしくおもしろかつたが、段々だん/″\つて澤山たくさんのくるしいことやかなしいことが、いたるところに待伏まちぶせ
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
待伏まちぶせをしていますわ。4545
「一体、自分が通行をしておる処を、何か待伏まちぶせでもなすったようでしたな。貴下方大勢で、自分を担ぐようにして、此家ここ引込ひっこんだはどういうわけです。」
海城発電 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
請取うけとりそれより呉服橋へ掛り四日市へと來懸きかゝるに當時そのころは今とちがひ晝も四日市へんさびしく人通ひととほまれなれば清三郎は惡僕わるもの二人ふたりと共に此處に待伏まちぶせなし居たり又七は金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
孝助は暇乞いとまごいをして相川のやしき立出たちいで、大曲りの方を通れば、前に申した三人が待伏まちぶせをして居るのだが、孝助の運が強かったと見え、隆慶橋りゅうけいばしを渡り、軽子坂かるこざかからやしきへ帰って来た。
「一体、自分が通行をしてをる処を、何か待伏まちぶせでもなすつたやうでしたな。貴下方あなたがた大勢で、自分をかつぐやうにして、此家ここ引込ひっこむだはどういふわけです。」
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お專とか云ふ宿屋の下女に馴染なじみの出來しまゝ無體むたい離縁りえんを致し今は梅事昌次郎の妻と成り夫と中むつまじきをねたみ昌次郎が柏原かしはばらへ行てくれて歸るを待伏まちぶせ河原にて切殺きりころし猶知れざるやうにと首を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わしは七軒町の曲角まがりかど待伏まちぶせして、あの朝善之進を一刀に切ったのは私じゃアぜ
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
雨はどっと降出して来ましたから、往来はぱったり止って淋しい秋の雨で、どん/\降る中をのた/\やってまいる所を、待伏まちぶせをして居りました庄三郎が、いきなり飛出して提灯を斬って落す。
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あんたに其んなことを云われゝば友達へ顔向が出来ねえから、意気張いきはりずくになりゃアかたき同志だ、可愛さ余って憎さが百倍、お前のけえりを待伏まちぶせして、跡をおっかけて鉄砲で打殺ぶッころす気になった時には
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)