師匠しゝやう)” の例文
俳諧師はいかいし松風庵蘿月しようふうあんらげつ今戸いまど常磐津ときはづ師匠しゝやうをしてゐるじついもうとをば今年は盂蘭盆うらぼんにもたづねずにしまつたので毎日その事のみ気にしてゐる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
此兒このこわたし弟子でしにするといふのですか貴樣あなたは? 途方とはうもないこと、此兒このこわたし師匠しゝやうだ、わたし此兒このこならいたいくらゐだ!』
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
卯平うへいは五六にちあひだ毎日まいにちたゞぶら/\とては黄昏近たそがれちかくかそれでなければよるつてかへつた。勘次かんじ毎日まいにち唐鍬たうぐはつてはやした。おつぎは半纏はんてん引掛ひつかけてはり師匠しゝやうかよつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そうざい料理れうりもごた/\するし、おんもりするところいやだし、あゝ釣堀つりぼり師匠しゝやうところかうぢやアないか。
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
このあひだたれかと二三にんづれで、学校がくかうのお師匠しゝやうさんが、うちまへとほつて、わたしかほたから、丁寧ていねいにお辞義じぎをすると、おや、といつたきりで、橋銭はしせんかないでつてしまつた。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
よしかくくるまねがひたしとおしかへしてたのるゝに師匠しゝやうにもとどくがりてらばおまをすまじとてもおかへりなさるゝにけてはよろしからずくるま大急おほいそぎにまをしてよとしゆ命令いひつけには詮方せんかたなくてやうらめしげながらうけたまはりて梯子はしごあわたゞしくりしが水口みづぐち
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)