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姦淫
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かんいん
ふりがな文庫
“
姦淫
(
かんいん
)” の例文
我我は盗賊、
殺戮
(
さつりく
)
、
姦淫
(
かんいん
)
等に於ても、決して「黄金の島」を探しに来た
西班牙人
(
スペインじん
)
、
葡萄牙人
(
ポルトガルじん
)
、
和蘭人
(
オランダじん
)
、
英吉利人
(
イギリスじん
)
等に劣らなかった。
侏儒の言葉
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
窃盜
(
せつたう
)
、
姦淫
(
かんいん
)
、
詐欺
(
さぎ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
てられてゐるのだ。であるから、
病院
(
びやうゐん
)
は
依然
(
いぜん
)
として、
町
(
まち
)
の
住民
(
ぢゆうみん
)
の
健康
(
けんかう
)
には
有害
(
いうがい
)
で、
且
(
か
)
つ
不徳義
(
ふとくぎ
)
なものである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
それゆえにかえっていっそういけなかった。恋したとき、
姦淫
(
かんいん
)
の心を起こしたとき、彼女は絶望的な率直さで無我夢中にそれへ突進した。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
昔キリストは
姦淫
(
かんいん
)
を犯せる少女を石にて
搏
(
う
)
たんとしたパリサイ人に対し、汝らのうち罪なき者まず彼女を石にて搏つべしと言ったことがある。
二つの道
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
デデンは唖の
巳代吉
(
みよきち
)
が事である。唖で口が利けぬが、
挨拶
(
あいさつ
)
をする場合には、デデンと云う声を出す。彼は
姦淫
(
かんいん
)
の子である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
すなわち淫行、
窃盗
(
ぬすみ
)
、殺人、
姦淫
(
かんいん
)
、
慳貪
(
むさぼり
)
、
邪曲
(
よこしま
)
、
詭計
(
たばかり
)
、好色、
嫉妬
(
ねたみ
)
、
誹謗
(
そしり
)
、
傲慢
(
ごうまん
)
、愚痴など、すべてこれらの悪しきことは内より出でて人を汚す。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
姦淫
(
かんいん
)
も殺生もすでに許されてこの世界に存在する以上は善いものであるに相違ないというのである。この全肯定の気持ちは深い宗教的意識である。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
昔は他の男を見て心を
動
(
うごか
)
すものは既に
姦淫
(
かんいん
)
したのと同じだという考え方もあったが、自分は一概にそうは思わない。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
姦淫
(
かんいん
)
する
勿
(
なか
)
れ、処女を侵す勿れ、
嫂
(
あによめ
)
を盗む勿れ、その他一切の不徳はエホバの神の
誡
(
いまし
)
むるところである。バイロンの一生は到底神の
嘉納
(
よみ
)
するものとも思われない。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
姦淫
(
かんいん
)
売色
(
ばいしょく
)
のみだらな風儀やら、良家の
閨門
(
けいもん
)
のみだれやら、僧門の堕落やら、嘘つき上手と腕力のある者勝ちな人間のわが世の春をゆるすような暗黒面も持つのである。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それゆえに彼らの生活には私たちが感じ得る限りでは
偸盗
(
ちゅうとう
)
や
姦淫
(
かんいん
)
がなくとも、彼らの魂の深さと鋭さとはそこに偸盗や姦淫を感じ出さずにはいられなかったのではなかろうか。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
殺人
姦淫
(
かんいん
)
等の事件を、拙劣下賤な文字で主として記載する
小新聞
(
こしんぶん
)
の流行、またジャズ舞踊の劇場で婦女の裸体を展覧させる事なども、わたくしの予想していなかったものである。
裸体談義
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
すでに
姦淫
(
かんいん
)
者ソドムの理想を心にいだける者が、しかも聖母の理想をも否定し得ないで、さながら純情
無垢
(
むく
)
な青春時代のように、本当に、心から、その理想に胸を燃え立たせることだ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
人ノ家婦ニ
姦淫
(
かんいん
)
スルコト他邦ニモアリトイエドモ、コノ地最モ
甚
(
はなは
)
ダシ、とあるとか、名古屋ノ女、顔色ハ美ナルモ腰ハ大イニ太シ、とかなんとか、名古屋の女のこってりした風味をそれとなく
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
精神の恋が清らかだなどとはインチキで、ゼスス様も
仰有
(
おっしゃ
)
る通り行きすぎの人妻に目をくれても
姦淫
(
かんいん
)
に変りはない。人間はみんな姦淫を犯しており、みんなインヘルノへ落ちるものにきまっている。
悪妻論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
天の父よ、私は
姦淫
(
かんいん
)
でありましたことを自ら咎めまする。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
姦淫
(
かんいん
)
——霧の誘惑!
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
窃盗
(
せっとう
)
、
姦淫
(
かんいん
)
、
詐欺
(
さぎ
)
の
上
(
うえ
)
に
立
(
た
)
てられているのだ。であるから、
病院
(
びょういん
)
は
依然
(
いぜん
)
として、
町
(
まち
)
の
住民
(
じゅうみん
)
の
健康
(
けんこう
)
には
有害
(
ゆうがい
)
で、かつ
不徳義
(
ふとくぎ
)
なものである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
パリー人らは、想像上においても実行上においてもあまりに
姦淫
(
かんいん
)
をやり遂げたがために、それをもう無趣味に思い始めていた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
お前は一方に崇高な告白をしながら、
基督
(
キリスト
)
のいう意味に於て、
正
(
まさ
)
しく盗みをなし、
姦淫
(
かんいん
)
をなし、人殺しをなし、偽りの
祈祷
(
きとう
)
をなしていたではないか。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
顔蔽いせる者 お前は
姦淫
(
かんいん
)
によって生まれたものだ。それを愛の名でかくしてはいるが。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
何もかも精力発展の一現象だと思えば、暗殺も
姦淫
(
かんいん
)
も、何があろうとさほど眉を
顰
(
しか
)
めるにも及ばないでしょう。精力の発展と云ったのは慾望を追求する熱情と云う意味なんです。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
姦淫
(
かんいん
)
を興味の中心とするような芸術作家の
軽佻
(
けいちょう
)
さを、憎みきらっていた。姦淫は彼に
嫌忌
(
けんき
)
の情を起こさせるのだった。
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
然しその瞬間に彼は偽善者になり
了
(
おお
)
せてしまっているのだ。彼はその心に
姦淫
(
かんいん
)
しつづけなければならないのだ。それでもそれは智的生活の平安の為めには役立つかも知れない。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
しかもこれ神様の眼には免るることのできぬ
姦淫
(
かんいん
)
です。
青春の息の痕
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
左衛門 (目を輝かす)
殺生
(
せっしょう
)
をしても、
姦淫
(
かんいん
)
をしても。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
“姦淫”の解説
姦淫(かんいん)とは、性に関わる不道徳の事である。多くの宗教において、姦淫は罪悪とされる。姦淫の意味は宗教によって異なる。
(出典:Wikipedia)
姦
漢検準1級
部首:⼥
9画
淫
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“姦”で始まる語句
姦
姦通
姦夫
姦婦
姦計
姦雄
姦佞
姦臣
姦策
姦男