天運てんうん)” の例文
父君ちゝぎみかつのぞめるごと海軍々人かいぐんぐんじんふう男兒をのことなりて、毎日まいにち/\かしこく、いさましく、おくつて有樣ありさまをばごとくにかたり、大佐たいさよ、濱島君はまじまくんよ、春枝夫人はるえふじんよ、されば吾等われらいま天運てんうんひらけて
尋ねしかど未だ天運てんうんさだまらざるにや一向に手懸りさへもなくむなしく其年もくれて明れば享保五年となり春も中旬なかば過て彌生やよひの始となり日和ひより長閑のどかに打續き上野飛鳥山あすかやま或ひは隅田川すみだがはなどの櫻見物さくらけんぶつに人々の群集ぐんじゆしければ今ぞかたき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ふね塲合ばあひには、それをもつ輕氣球けいきゝゆう運命うんめいぼくし、みづから天運てんうんつきあきらめて、其時そのとき最後さいご手段しゆだんすなは海賊船かいぞくせんとか其他そのた強暴きようぼうなる外國ぐわいこく軍艦等ぐんかんとうに、海底戰鬪艇かいていせんとうてい秘密ひみつさとられぬがため
いまこの厄難やくなんさいして、吾等われらみちたゞ二つある、その一つは、何事なにごと天運てんうんあきらめて、電光艇でんくわうていともこの孤島はなれじま朽果くちはてること——しかしそれは何人なんぴとのぞところではありますまい——一策いつさくほかでも