大和魂やまとだましい)” の例文
ふん。しかし女の子ならそれもよかろうが、男の子にはふさわしからぬ歌だな。ここらでひとつ、わしが、大和魂やまとだましいをふるいおこすような歌を
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
こうして、第一回の空襲によって大和魂やまとだましいを取戻した市民たちは、眼の寄るところへたま比喩たとえで、だんだんと集り、義勇隊ぎゆうたいを組織して行った。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
といっておお可哀そうに、などいって抱き上げることは、私の潜在せる大和魂やまとだましいという奴がどうしても承知してくれないのだ。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
大和魂やまとだましいかためた製作品である。実業家もらぬ、新聞屋も入らぬ、芸妓げいしゃも入らぬ、余のごとき書物とにらめくらをしているものは無論入らぬ。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その「身は家国に許し、死生は吾久しくひとしうす」といい、その「身はたとえ武蔵の野辺に朽ちぬとも留め置かまし大和魂やまとだましい
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
支那チャン探偵いぬになるやうな奴は大和魂やまとだましいを知らねえ奴だ、大和魂を知らねえ奴あ日本人のなかまじやあねえぞ、日本人のなかまでなけりや支那人チャン同一おんなじだ。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「科学もいい、理詰めもいい、しかしその外にも大事なものがある」紋太夫は昂然こうぜんと云う。「他でもない大和魂やまとだましいよ」
これだけんだので言葉ことば意義内容いぎないようわたしあたまなかにハツキリしてた。大和魂やまとだましい表象へうしやうする、朝日あさひにほ山櫻やまざくらがコスモポリタン植物しよくぶつでないこと無論むろんである。
「むかしの武士さむらいは痛くてもけっして痛いと申しません。そこが大和魂やまとだましいです。若様は大和魂がおありでしょう?」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
僕だって、その孫文という英雄のもとせ参じて、大いに激励してやるさ。日本人は、みんなそれくらいの義気は持っている。大和魂やまとだましいの本質は、義気だからね。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「なおざえをもととしてこそ、大和魂やまとだましいの世に用いらるるかたも強うはべらめ」です。分りますか?
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
自分らごときは他人の異見を待たずに、不羈ふき独立して大和魂やまとだましいを堅め、善悪邪正と是非得失とをおのが狭い胸中に弁別し、根本の衰えないのを護念して、なお枝葉の隆盛に懸念けねんする。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
人類が進歩するに従って愛国心も大和魂やまとだましいもやはり進化すべきではないかと思う。
天災と国防 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
海では水雷艇の突撃戦に血を湧かしたがる。油断すると爆薬を積んだ飛行機を敵艦にブッ付けようかという、万事、極端まで行かなければ虫が納まらないのを、大和魂やまとだましいの精髄と心得ている日本人だ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「これが、ほんとの大和魂やまとだましいっていうんだ」
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
大和魂やまとだましいがあるんじゃなくて?
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
人間のあじわい得るあらゆる幸福は味って置きたいという、そして大和魂やまとだましいというものを認め得ない処の近代的にして聡明そうめいな絵描きがあったとしたら
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
意味なくあわてるのでは、大和魂やまとだましいを持っているとはいえない。旗男のはらはきまった。
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「もう一つです。神経は三本にわかれていますからね。もう一ぺん大和魂やまとだましいですよ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
大和魂やまとだましいだけで器械を使ったのでは、第一器械もこわれるが、場合によっては自身の命も危ういのである。精密器械を作るのでも最後の仕上げは人間の感官によるほかはないような場合が多い。
記録狂時代 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
大和魂やまとだましい! と叫んで日本人が肺病やみのようなせきをした」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
身はたとえ武蔵の野辺に朽ちぬともとどめ置かまし大和魂やまとだましい
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
人間のあじわい得るあらゆる幸福は味って置きたいという、そして大和魂やまとだましいというものを認め得ない処の近代的にして聡明そうめいな絵描きがあったとしたら
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
「ずるい奴だよ。そんな大和魂やまとだましいがあるものか」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
やむに止まれぬ大和魂やまとだましい
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そしてわれわれはそれによってある気位きぐらいを自分自身で感じていたものだった。先ず鞭声粛々べんせいしゅくしゅく時代といえばいえる。東洋的大和魂やまとだましいがまだわれわれの心の片隅かたすみに下宿していたといっていいかも知れない。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
此方こっちには大和魂やまとだましいがある。負けるものか」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)